夏になるとニューヨーカーたちが街から姿を消す。夏の風物詩。NY郊外のハンプトンやアップステートニューヨーク、ビーチハウスなどの避暑地へと出かけて行くからだ。ニューヨーカーのいないNYはいつもとは違ったエネルギーを発していて。例えるならば祭りの後のような空気感。その代わり、ニューヨーカーとは入れ替わり、大勢の観光客で街が賑わいをみせる。
そんな観光客たちに混ざり、最近夫とハマっていることがある。ハドソン川沿いにある全面オープンエアのレストランでまったり風を浴びながらお仕事をすることだ。バックパックにPCを詰め込み、自宅から自転車を飛ばすこと約5分。ハドソン川沿いに突き当たる。
公園を抜けて、川の向こうに目をやると水の上にぽっかり浮いている水上レストラン。バケーションの予定がない私たちにとって、今年夏の憩いの場だ。
大型客船に乗っているような感じで近くに船が通過するたびゆらりゆらりと上下左右に揺れ動く。その揺れ方もまさに心地よい。「次回は友人Aちゃんと一緒にこよう!」……そう心に思ったけどすぐに却下。Aちゃんはすぐに船酔いしてしまう人。レストランへ行くのに酔いどめ薬を飲まなくてはいけない。
ハドソン川の風が頬にあたる。なんて気持ちがいいのだろう。ふとPCから目を離して目の前に広がる世界に目をやってみた。
ビルの13階建てを超えるほどの大型客船が目の前を横切って行く。屋上からたくさんの乗客たちがこちらに向かって手を降っている姿が見えた。水上レストランからも多くの観光客たちがそれに応えて手を振り返している姿。なんてのんびりしあわせな光景なのだろう。
大型客船の行き先が気になり手にしていたアイフォンで検索してみた。バハマ行きだった。おお! ニューヨークを出発してこれから海を渡りバハマへと移動するのだな。自分が行くわけでもないのに今、目の前に通り過ぎようとしている客船がバハマへ向かっていることを知っただけでなぜか心が高鳴った。
行こうと思えば、船に乗ってバハマクルーズでもカリブ海クルーズでもどこでも簡単に行けちゃう世の中。ああ、また世界が戻ってきた。また今からどんどん世界へと出かけて行くことができる。
次の旅はどこにしようか?
想像を膨らますだけでも楽しい気持ちになる。世界は広い。まだみていない景色を見に行こう。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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