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免疫力UPが期待できる 自然由来のサプリメント特集

インターネットで免疫系を強化するサプリメントを検索してみると、抗酸化作用のあるビタミンCや腸内環境を整える乳酸菌などがヒットします。一方で、オンラインストアや専門店などでは一般にあまり知られていないものも数多く販売されています。今回の健康特集では、アメリカのオンラインで購入可能で、免疫力UPが期待できる少しマニアックな自然由来のサプリメントをご紹介しましょう。

 

アシュワガンダ Ashwagandha

 インド、ネパール、南ヨーロッパ、アフリカなどに自生するナス科の常緑低木で、インドでは古来からアーユルヴェーダに利用されています。鉄を始めとするミネラル分が豊富で、アルカロイドやサポニンなどの薬効成分が含まれます。

 関節痛、腰痛の緩和、滋養強壮、抗ストレスのほか、近年の研究では免疫力強化や抗炎症作用、脳機能改善の効果もあると考えられています。

生の根に独特の刺激臭があるアシュワガンダはサンスクリット語で「馬の匂い」を意味する

エゾウコギ Siberian Eleuthero

エゾウコギの実と葉。
薬用に使うのは根の皮の部分

 北海道、中国北部、シベリアなどの寒冷地に自生するウコギ科の落葉低木で、古来からアイヌ民族が根皮の部分を薬として使っていました。生薬名は刺五加(しごか)もしくは五加皮(ごかひ)と言います。エゾウコギに含まれるサポニンの一種「エレウテロサイド」という特有成分には、抗疲労、抗ストレス、免疫機能向上などの作用があることが動物実験によって確認されています。 

 1962年、旧ソ連の科学アカデミーが強壮剤としての効果があることを確認し、1964年にはエキス剤の生産が開始されました。1980年のモスクワオリンピックでは、ソ連が選手団の強化に活用していたことで注目されました。

オリーブの葉エキス Olive Leaf Extract

 モクセイ科の常緑高木で原産地は地中海沿岸。鉄分、カルシウム、ビタミンE、オレイン酸、エレノール酸などが含まれ、古代から粉末はマラリアの治療薬や解熱剤として、煎じたお茶は鎮静剤として用いられていました。葉に含まれるポリフェノールの一種、オレウロペインには高い抗菌・抗酸化作用があり、体内の免疫細胞を活性化することで風邪やインフルエンザの予防に効果的と考えられています。コラーゲンの生成を補助する働きもあるため、美肌の維持も期待できます。

葉には果実よりも多くのポリフェノールが含まれる

カワラタケ Turkey Tail Mushroom

 倒木などに傘を伸び出して群生するタマチョレイタケ科のキノコ。とても硬く、調理しても食べられないものの、煮出したものをお茶として飲んでいる地方もあります。  カワラタケに含まれる多糖類「クレスチン」は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化するほか、ウイルスや腫瘍細胞などが体内に侵入すると分泌される蛋白質「インターフェロン」を生産する働きがあります。これらの働きによって抗ウイルス作用や腫瘍細胞の増殖が抑えられるため、抗癌剤の成分として使われています。

カンカオウトウ Tart Cherry

 南西アジアとヨーロッパに自生するスミミザクラの木の果実です。一般的なサクランボよりも栄養価が高く、抗酸化物質、ビタミンB群、カルシウム、鉄、マグネシウム、オメガ3などが含まれています。抗酸化作用が非常に高いとされ、炎症を起こす酵素の働きを抑制する特有成分「アントシアニジン」による免疫システムの向上が期待できます。  

 そのほか、メラトニンの作用による不眠症改善、疲労回復などにも効果があるといわれています。酸味が強く生食ができないため、サプリメントのほか、ジュースやジャム、冷凍食品として販売されています。

カンナビジオール Cannabidiol(CBD)

 近年話題に昇っているCBDは、アサ科の薬用植物「カンナビス」から抽出される成分です。カンナビノイドには500種類以上もの成分が含まれていますが、中でも大麻の主成分として知られ、葉に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)と、THCのような精神作用がなく、茎と種子に含まれるCBD(カンナビジオール)が薬用として使われています。

 CBDは抗不安、抗てんかんなど神経保護の働きがあることが知られていますが、人体に備わっているECS(エンド・カンナビノイド・システム)という身体調節機能と相互作用することで、免疫系の強化、抗菌、抗炎症などにも役立つと考えられています。

カンナビスの花冠。THCを含む大麻として使われるのは葉の部分で、CBDが含まれるのは花穂、茎、種子の部分

キャッツクロー Cat’s Claw

「キャッツクロー」という名前の由来は葉の付け根にある猫の爪のようなトゲ

 ペルーのアマゾン奥地、標高400~800mに自生するアカネ科の蔓性植物。キャッツクローは土壌からの栄養分の吸収力が強く、1ヘクタールに数本しか育たないともいわれています。ペルーの先住民族のアニシャカ族は、インカ帝国の時代から樹皮を煎じて薬として飲んでいました。 

 樹皮や根から抽出される薬効成分「五環系オキシインドールアルカロイド」は、免疫力の向上、気管支炎、ぜんそく、関節炎、リウマチ、ヘルペスなどに効能があると考えられています。1994年にWHOが主催した国際会議では、副作用のない抗炎症剤として注目を集めました。

クリルオイル Krill Oil

 エビに似た海洋生物で南極海に生息するナンキョクオキアミが由来。オメガ3系脂肪酸、リン脂質、アスタキサンチンが含まれています。アスタキサンチンはエビやカニなどの甲殻類、サケやマスの身、タイやコイの皮などにも含まれるカロテノイド系色素の1つ。ビタミンCの6000倍ともいわれる強力な抗酸化力があることで知られ、体内の活性酸素を除去することで免疫力を維持し、疲労回復の促進効果もあるとされています。

植物プランクトンを餌とし、巨大な群で泳ぐナンキョクオキアミ。1m四方に1〜3万匹が集まることもある

セイヨウニワトコ Elder Berry

 ヨーロッパ、西アジア、北アフリカなどの広い範囲に自生するレンプクソウ科の低木です。古代から世界中で薬として利用されてきました。

  薬効成分は葉、茎、花に含まれますが、特に半開きの花を陰干した生薬を接骨木花(せっこつぼくか)といい、日本では風邪、花粉症、咽頭炎、関節炎の治療や緩下剤に使われてきました。果実と花は免疫力UPが期待される抗酸化物質や各種ビタミンを含んでいるため、一部の医療機関では風邪・インフルエンザの予防や症状の緩和に用いられています。そのほか、呼吸器に関わる感染症、便秘、関節痛、筋肉痛などにも効果があると言われています。

花、茎、実の部分が薬用として使われる

パウダルコ(タヒボ) Pau d’Arco

 ノウゼンカズラ科の樹木で、中南米原産。サプリメントは、樹皮の内皮から作られます。中南米の先住民、インディオは、マラリア、呼吸器障害、風邪、咳、真菌感染症、熱、喘息などの治療に民間薬として利用していました。

  近年の動物実験では、パウダルコ抽出物が体内で炎症反応を起こす化学物質の放出を阻害することが明らかになっています。また、細菌や真菌が酸素と結びついてエネルギーを生成するプロセスを阻害する働きにより、特に消化器系感染症の予防に役立つと考えられています。

パウダルコの野生木
花はブラジルの国花 に指定されている
加工された樹皮(内皮)。民間薬「ラパチョ」として煎じたものが飲まれている

マリアアザミ Milk Thistle

葉や茎にミルクがこぼれたような白いまだら模様がある。「ミルクは聖母マリアに由来するもの」ということが日本名の由来

 キク科の二年草で、英語ではミルクシスルと呼ばれます。果実、種子、根が薬用に使われ、種子には傷ついた肝細胞の修復を助けるフラボノイド、シマシリンが多く含まれています。ヨーロッパでは2000年以上前から肝臓疾患の治療薬として使われており、現代でも肝機能改善のためのサプリメントとして利用されています。肝臓に負担がかかることによる免疫力低下を予防するため、お酒を飲む人にお勧めのサプリメントです。

ムラサキバレンギク Echinacea

 アメリカ本土のテキサス州、ネブラスカ州、ミネソタ州に自生する菊科の多年草。先住民たちは、根を噛み砕いたものを歯痛、風邪、傷、解毒の薬草として利用していました。19世紀後半の欧米では呼吸器感染症や皮膚疾患の治療に用いられ、20世紀前半からはドイツを中心に、ヨーロッパでハーブ療法に取り入れられるようになりました。

  根に含まれる多糖類は、免疫細胞の機能を高めて免疫物質の産生を促すほか、全身性感染症の予防、インフルエンザやヘルペスの抗ウィルス効果もあるとされています。今日の欧米諸国では、風邪とインフルエンザの予防・症状緩和に役立つハーブとして広く親しまれ、サプリメントのほか、ハーブティーとしても販売されています。

※この記事はサプリメントの効能や効果を保障するものではありません。 

※食品アレルギーのある方、薬を服用している方、妊娠中や授乳中の方、その他なんらかの医療機関にかかっている方は、サプリメント摂取の前に専門家に相談してください。

(日刊サン 2020.4.21)


 

<参考URL> 2020年4月15日アクセス 

◎山崎泰助, 松村外志張, 築山節, 常盤孝義 (2006)「エゾウコギ成分エレウテロサイドEの抗炎症作用と抑制メ力ニズム」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jtca1981/25/3-4/25_137/_article/-char/ja/ 

◎渡辺斉「ホソバムラサキバレンギク」 https://takeda-kenko.jp/yakuhou/library/plant/vol27.html 

◎日本臨床カンナビノイド協会  http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=19134 

◎日本薬学会「ニワトコ」https://www.pharm.or.jp/flowers/post_27.html 

◎examine.com https://examine.com 

◎SWANSON https://www.swansonvitamins.com 

◎Mary Jane Brown (2019) “Cat’s Claw: Benefits, Side Effects, and Dosage” https://www.healthline.com/nutrition/cats-claw 

◎Jillian Kubala,(2018)“7 Benefits and Uses of CBD Oil (Plus Side Effects)” https://www.healthline.com/nutrition/cbd-oil-benefits 

◎画像出典 Public Domain, Wikipedia, Pixabay, Shutterstock

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