ストレスのお話
気持ちがふと落ち込んでしまったときや、悲しいことがあったとき。ストレスが溜まってどうしようもなくなったとき。自分なりのストレス解消方法や、気持ちを「アゲる」手段を持っているだけで、どんなに安心できることでしょう。音楽を聴く、友達とおしゃべりする、スポーツに勤しむ、はたまたひたすら寝る……。人によってその方法は違いますが、自分はこうすると気持ちが楽になるのだ、と確信を持って言えるのはとても大切だと思うのです。
なぜいきなりそんなことを言うのかと申しますと、コロナ禍で家に閉じこもりがちになり、膨大に出されるオンライン授業の課題に忙殺されて行く中で、「あぁ、ストレスが溜まっているなあ」と実感する機会が増えたからです。しかも、一体どこから沸いてきたのかイマイチよく分からないストレス。例えば、会社の上司が無茶振りをしてくるとか、お局に意地悪されているとか、そういったものとはまた違う「ストレス」。目に見えないそいつに、心身ともに振り回されてしまっています。
これまでは、週末ごとになるべく外に出て、ビーチでくつろいだり、目的のない散歩をしたり、待ちに待ったレストランでの食事をしたりしていましたが、それも厳しくなりそう。なぜなら、ビーチや公園はすでに閉鎖され、再ロックダウン目前とまで言われているからです。感染者数が爆発的に増え、100人超えが続く今、外をウロチョロするのは得策ではないでしょう。
となると、家の中でできること。例えばくだらないコメディショーを見てバカ笑いする、はたまた思い切り泣ける映画を見てワンワン泣く。何かに没頭する……例えば絵を描くとか、本を読むとか。以前もコラムに書いたような気がしますが、家の中で一人でできること、って意外とありそうでないんですよね。これを機に新しい趣味でも始めるか、と思っても、なかなか腰の重い作業。結局、朝起きてから寝るまでなんとなく1日が過ぎ去ってしまうのです。そんな生活を続けていたら、このコラムのネタにも困ってしまう始末。
これではいけない、ストレスに負けてはならない。そう思って、とりあえず始めたのが、朝起きたら化粧をするということ。どこに出掛けるわけでなくとも、化粧をすると気が引き締まって、家の中にいたとしても、よそ行きの自分でいられるような気がするのです。しばらく続けていると、外に出るわけではないのだから、もっと派手にしてみようとか、冒険してみようかと思いはじめました。自分の顔の形や肌の色、目の大きさなんかに合う化粧はどんなものか、日々日々研究に邁進しています。うん、今日はうまくできたぞ、と思うと自然と気持ちも軽やかに。自分なりのストレス解消方法、見つけたような気がします。
コロナ禍はもうしばらく続きそうですが、今まさにワクチンや特効薬の研究が進められています。明けない夜がないように、いつの日かこの生活も終わるはずです。私も、私の研究の成果を、見違えるほど美人になった私を、世の中の皆様にお見せできる日が1日も早く来ることを心から祈っています。
CAN OF ALOHA No.36
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_channel をご覧ください。