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世界のマグロを追いかけて男の旅 こぼれ話

日本の魅力は、やはりマグロ

日本の魅力は、やはりマグロ

 神奈川県三浦市の三崎港から二隻の遠洋マグロ延縄船が、それぞれ5月の末に太平洋マグロ漁場を目指して出港して行きました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で出港が遅れていたのですが、ようやく1年間にもおよぶ長い航海に出ていきました。船員の約7割がインドネシア人だったこともあり、その受け入れのために14日間の隔離や、二度のPCR検査での陰性判定を得なければならず、それらの手続きを経ての乗船となったわけです。

 やはり、日本はマグロを第一とする漁業の国でもあります。コロナウイルスが直撃するまでは、海外からもマグロに惚れた人々がこぞって日本にやってきていました。訪日の方々がマグロの寿司、刺し身や、マグロ料理だけではなく、マグロ漁、市場での競りを含めた流通、日本食文化にいたるまで様々な「本場のマグロ日本」に興味と関心を持って来ていたのですね。近年の日本を訪れる外国人は必ずと言っていいほど、刺し身や寿司、そしてマグロ料理を堪能し、豊洲市場(東京都)の競り場の視察にも朝早くに出かけてました。やはり、マグロの魅力と生活は、日本人だけが感じ持っているものではなく、今や世界の多くの人々が、日本文化、歴史や伝統、言語、日本人の生活習慣まで含め興味津々でいます。

 隣の国の韓国は、10年ほど前まで釜山やソウルの街中でも、寿司を出す店はかなり少なく、主に“刺し身”の白身魚や貝類が、ほぼ中心でマグロはもう一つ人気がありませんでした。中国にしても、魚を生食で食べる習慣そのものがなかったのですから、大都市でもマグロの刺し身などほぼ見かけることはありませんでした。しかし、この10年の間に、日本の食習慣や日本料理が、韓国、中国を含めて、欧米はもちろん世界の食習慣や、レストランのメニューやスーパーの食品売り場まで変えてしまったことは事実ですね。

 そして、今もなお世界で一番マグロを食べているのが日本です。さらなるマグロへの食への魅力と、それゆえの調理へのこだわりも、さらに深く研究、追求、切磋琢磨されています。

 もちろん、マグロと言えば、寿司、刺し身がダントツになるわけですが、現代の若い世代は、おにぎりやサンドイッチに挟んで好んでマグロを食べ、マグロステーキやバーガーも居酒屋さんでは人気メニューにもなっています。ハワイでと言えば“アヒのポキ”ですが、今や本土のニューヨーカーにすっかり愛され定着し、全米でもかなりの広がっています。

 日本料理店とマグロの看板は、ハワイだけではなく全米どこの田舎の町にも視られるようになりました。全米には18,600店舗(2018年)で、2000年の時から3倍以上に増えているわけですからすごいですね。ハワイ州で440店舗と報告されています。ハワイにはハワイで水揚げされる日本にも負けない新鮮なマグロがありますね!

STORY 149

永井 修二

北海道出身、在米38年 鮪関連水産会社34年勤続

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