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アラ古希からのユルユラAlohaマインド

【アラ古希からのユルユラAlohaマインド】さくら舞う季節

 1月のお正月・2月の節分の豆まきに恵方巻・33日の桃の節句と季節の行事が続き、もう豪雪のニュースは終わり桜便りが増えてきました。今年は、コロナ禍になり中止されていた様々な行事が3年ぶりにあちらこちらで再開に、旅に出る人来る人との移動制限も大変緩和されてきました。

 2020年のコロナ禍の始まりから、企業のリモートワークが随分増加しました。故郷の友人A子さんの娘さんのパートナーは韓国人で、住まいはワシントンDC。昨年の夏休みには、2人のお孫さんたちを連れて、久々に、韓国と日本でそれぞれひと月ずつを過ごされたそうです。A子さんは、娘さんたち家族がひと月も彼女の家にいてくれたなんて、娘さんのご主人がリモートワークを世界中から出来るからだと言って喜んでいました。

 B子さんは、私とA子さんの共通の友達。そのB子さんのご主人が病院からやっと退院の話が出てきたころに、また様態が急変して帰らぬ人になった事をA子さんが私に伝えてくれました。

 私は、B子さんに電話をしました。彼女はご主人の最期の日の話をしてくれました。様態が急変し息子さん夫婦が到着されたところで、眠りから静かにに目を開き、B子さんと息子さんご夫婦に、「ありがとう」と穏やかに伝えまたゆっくりと瞼を閉じたそうです。彼女曰く、「まるで映画のシーンのように素敵な最期だったの」と電話越しに彼女のすすり泣きの声が聞こえました。

 B子さんのご主人は81歳でした。昭和生まれの日本男児は、「ありがとう」をさらりと言うことは不得手の方が多いと思います。私も、亡くなった夫から「ありがとう」をまともに言われた記憶はありません。

 2017年の春、私の姉が脳梗塞で倒れました。病院からの電話で、義兄と姪と私の3人で、姉のベッドの傍にて、手や足をさすりながら耳元で昔の思い出話を続けました。看護婦さんから、患者さんは最期まで聞こえていますので、お話を続けていてくださいね、と伝えられて

 姉の心拍数モニター画面の線がスーと波が引くように一直線になり、「医師がご臨終です」と告げました。病室のベッドは、地下の霊安室に移動されて斎場の車を待ちました。お迎えの車が到着し霊安室の扉が開くと、パーっとどこからか桜の花びらが集まって舞い上がり姉を迎えてくれました。さくら舞うあの景色は、私の胸にずっと残ると思います。

 ふくい舞さんの「いくたびの櫻」の歌詞に重なりました。

♪…春がめぐれば 櫻は咲くもの 
今まで私もそう思っていたけど 
一年生きた証だと 今では感じる 
はなびらひとひらさえ大切なその命…♪

  これからの人生へ アラ古希からのユルユラAlohaマインド No.124

蒼井 絹子

北海道生まれ。学習院女子短期大学英文科卒業。 

1984年「ベルーシの涙は、スニーカーブルース」が、NHK北海道ラジオ創作ドラマで採用 

1987~89年 3人の小学生の子供達を連れて渡米。シアトルのグリッフィンカレッジに 留学・卒業。シアトル日本語放送局にて番組を担当 

1994年 北海道にて、陶芸工房【G-club】を開設 

1997~2001年 北の生活産業デザインコンペにて入選・入賞 

2002年 財団法人中小企業総合研究機構会長賞を「マグネット・アート」で受賞 

2003年 東京に工房・オフィスを開設 

2011年 日本旅行作家協会入会。東京都TASKものづくりコンテストにて奨励賞を受賞 

2012年 東京都美術館「東京展」にて「マグネットアート」入選 

2014年7月7日より、ハワイマッサージアカデミーへM-1(技術取得ビザ)にて留学 

2015年1月17日 同校卒業 

2020年12月 著書「人生の“サバティカル”留学」を上梓

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