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【今どき ニッポン・ウォッチング】日中国交回復半世紀、遂に中国の「脅威」を悟り始める日本
第二次大戦後、2度と戦争を起こさないと固く誓った我が国は、この誓いを半世紀以上堅持してきた。ところが、周囲の国々がどうしてもこの堅い誓いを理解してくれず、絶えず色々とちょっかいをかけて来るようになった。我々のこの美しく且つ平和な夢は「平和ボケ」とされ、維持出来なくなってしまった。そのため、ついに「我が国を攻撃したら、反撃されるぞ!」と相手に認識せざるを得なくなってきたのである。
我が国の2023年度の一般会計予算で、財務省が先月に集計した各省庁の概算要求総額が約110兆円に上り、過去最大となった2022年度の111兆6559億円に次ぐ規模となることが明らかになったのである。注目されるのは、その中の防衛省の要求額が2022年度当初予算比3.6%増の5兆5947億円で、過去最大となったことである。
我が国の防衛費等は、現段階では総額を明示する必要のない「事項要求」項目となっているので、最終的な防衛費の総額は恐らく6兆円超となる可能性が十分にあると予測されそうである。この数字は、二次大戦後以来最大の増額になると言えよう。
近年、周知のように、我が国の隣国である中国は急速に軍事力の増強に力を入れ、わが国の周辺での活動を活発化している。一方北朝鮮の核・ミサイルの開発も、わが国の差し迫った脅威でもある。これに対し、我が国の自衛隊の装備や人員は、どうしても拡充せざるを得なくなっており、あらゆる事態に対処できる体制を整えなければならない事態となってしまったのである。
このように、我が国の安全保障が急速に悪化しているため、与党の自民党は、北大西洋条約機構加盟国が目標とする国内総生産(GDP)比2%以上の国防費を念頭に、5年以内に同水準の達成を加盟国に求めている。自国の国民の生命と財産を守るのは政府当局の当然の職務であり、全国力を注ぐのは当然であろう。
特にわが国のような資源の乏しい小国では、攻撃や侵略をされる前に、周到な事前の準備と訓練が必要となってくる。
とある全国世論調査では、日本が防衛力を強化することに「賛成」は70%で、「反対」の24%を大きく上回った。「賛成」は性別や年代を問わず多数を占め、支持政党別でも与党支持層で78%、野党支持層で66%、無党派層では63%に上った。
中国が日本の安全保障上の脅威だと「思う」のは81%に達し、「思わない」は15%にとどまった。中国に対する警戒心が特に強いのは中国が国防費を公表分だけでも10年間で倍増させ、軍事力を急速に増強しているからである。
日中国交回復から半世紀、日本の対中ODAと円借款、宝山製鉄所の稼働、北京国際空港整備への3000億円の借款など、それに戦後中国の日本に対する戦争賠償請求の放棄等々、両国の「相思相親の情」を、今一度思い起こす必要があるのではなだろうか。
今どき ニッポン・ウォッチング Vol.243
早氏 芳琴