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コラム とどけMahalo! アメリカ本土便り

ウイスコンシンで独り言 庶民の味方、スーパー“ALDI”

 私達の住む町にALDI(オールディ)というお値打ちスーパーがあります。1976年にこのドイツ系のスーパーはアメリカに進出し、今では全米のあちこちにみられるようになりました。このスーパーは他とはちょっと違っています。いろいろ不要と思われるものを無くし、その分商品の値引きで消費者に還元しているのです。

 私達は主な日常の買い物はALDIでしていますが、他のスーパー比べると合計額で3~4割ほど安い感じがします。値段の一例を紹介するとバナナはボンド30セント。卵は1ダースで1ドル以下(69セントくらい)です。

店舗と商品の陳列の簡素化

 店舗の敷地面積は大きくありません。わざと大きな店舗を造らず、商品も他のスーパーのようにありとあらゆる商品を陳列するのではなく、「限られた商品」を陳列しています。ですからこだわった商品をこの店で見つけることはちょっと難しいですが、商品数が少ない分、買い物がしやすい利点があります。また、商品は配達された状態のまま「箱なり」商品を陳列するので、店員は倉庫から運んで置くだけで、陳列などの手間を省いています。

ALDIブランド

 この店では有名ブランド製品はなく、すべてがALDIブランドです。その分、他社の有名ブランド品よりかなりお値打ちになっています。ですから、ブランド商品を求める人にはALDIは向きません。私達はパンや食用油やその他の缶詰などALDIブランド製品で満足しています。また商品によってはALDI商品が優れて信用が置ける場合もあります。ただ、しょうゆや即席めんなどは日本のブランドがいいので、そんな場合は他のスーパーに行きます。

その他の簡素化の例

 ALDIではお店で働く人が非常に少なく(店内には2、3人)、その数人がいくつもの役割を担っています。レジが暇な時は倉庫から商品を陳列、商品の整頓し、レジが忙しくなると倉庫や店内の人がレジ係に変身します。今では珍しくありませんが、以前から買い物袋は客が持ち込みでした。今でこそクレジットカードが使えますが、以前はカードが使えず、現金と小切手のみの精算でした。また、店のカートは25セント玉を入れると使え、そのカートを返すと25セントが返金されるので、買い物カートが駐車場に散らばっていることは皆無です。店内は不要な飾りがなくちょっと殺風景で、音楽も流れてないのです。

 営業時間は朝9時から夜8時と、ほかのスーパーから比べるとずっと短いですが、その分従業員をたくさん必要とせず、電気代なども節約できるものと思われます。こんな合理的で小づくりのALDIが、ハワイでも見られるようになるといいですね。

とどけMahalo! アメリカ本土便り No.135

大井貞二(おおいさだじ)

1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。

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