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低所得者向アパート工事 隣接ビルの反対により硬直

 ホノルル市ダウンタウンのクイーン・エマ通りにある「ピンプル・ビル」というニックネームで知られるユニークな外観の12階建ビルは長い間空いていたが、フロリダに本拠を置くサザンポート・ファイナンシャルサービスとカイルアを拠点とするアヘ・グループによって、オフィスビルから71室の低所得者向けの賃貸アパートへ改装工事が行われることになった。

 

 しかし、隣接する3階建オフィスビルの所有者との間でビルの改装に伴った問題が起き、警察の介入、物的損害の申し立てや裁判所の差し止め命令などで改装工事が硬直状態にある。

 

 1964年に建てられたビルをアパートに改装する予算は2500万ドルで、昨年10月には窓用の開口部を作るために建物のレンガ面を切り込む作業が始まったが、隣接する3階建てのビル所有者であるジョセフ・パッカード氏から反対が起こった。

 

 レンガ面を切り込む作業時に落下する破片から隣接ビルを守るために木製枠とネットで安全障壁を設置しようとしたが、パッカード氏は安全対策が万全でないと反対した。

 

 パッカード氏は、「3階建ビルの天井はポリカーボネート製の天窓で、強風によって足場プラットフォームが安全障壁を突き抜けて天窓に落ちてくる可能性がある」として反対しているが、改装工事を行なっているスウィナートン・ビルダー社側はパッカード氏が安全に進めている工事を危険な方法で妨害していると非難している。

 

 3月20日、開発会社側はパッカード氏に改修工事の妨害をやめさせるよう州裁判所に申し立てを行なった。

 

 申立によると、「3月2日にパッカード氏がケーブルをボルトカッターで切断しようとして失敗しケーブルを梁に結んだために作業員が足場で動けなくなり、警察が呼ばれてパッカード氏にケーブルを解かせた」

 

 申し立てが行われた3月20日当日もまた、パッカード氏とその従業員が足場の下に立って側面工事を阻止しようとしたために警察が介入した。

 

 8月までに完成する予定だった改修工事だが、問題解決の目処が立っていない。

 

 

(日刊サン 2020. 3.28)

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