メバチマグロの漁獲規制が緩和されたため、この年末年始にかけて「幸運の魚」であるアヒ(メバチマグロ)が豊富に流通すると見られている。これは、消費者にとっても、漁業関係者にとっても良いニュースであるとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
2008年以来、ハワイを拠点とする延縄漁業者は、国際協定により、アヒの年間制限量3554トンに直面してきた。地元の消費者に魚を供給する約150隻の延縄漁船を代表する傘下団体「ハワイ延縄協会」のエグゼクティブ・ディレクターであるエリック・キングマ氏によると、ハワイのアヒの需要は高く、漁獲量はしばしば年末のかなり前に制限値に達してしまい、そのため地元の漁師は他の漁業から「漁獲枠を購入」しなければならず、価格が上昇していたという。
一般にはあまり知られていなかったことだが、最近、ハワイのアヒ漁獲枠が85%増の6554トンに引き上げられた。これにより、他の漁業から漁獲枠を購入する必要がなくなる。キングマ氏は、「ハワイにとっては大きな勝利だ。アヒの資源は健全だと考えられている。かなり良好な状態にあり、乱獲の対象にはなっていない」と語った。
「東京とメイン州の間にある唯一の水産物競り市場」として知られるホノルル・フィッシュ・オークションは、「ユナイテッド・フィッシング・エージェンシー」によって運営されている。アシスタント・ゼネラル・マネージャーのマイケル・ゴトウ氏によると、アヒは他の赤身の魚とともに、特に正月に需要があるという。赤は繁栄と幸運の象徴と考えられているからだ。「日本の古い文化、赤い色、ハワイのシーフードの文化的意義といった歴史にさかのぼる。誰もが新年にアヒの塊を欲しがるんだ」
ハワイにはもうひとつ新鮮な地元の魚が手に入る市場がある。それがアシュリー・ワッツ氏が経営するカイムキの「ローカル・イア」だ。ワッツ氏はシーフードの定期購入サービスも行っており、漁師と競り合うのではなく、固定価格で交渉している。「私は魚を商品としてではなく、資源として評価するよう心がけているので、いくらで売ろうとも漁師には一年中同じ値段を支払っている」
ワッツ氏によると、毎年この時期には、赤身の魚であるアク(カツオ)や、正月のごちそうにする高級魚の需要が高まるとし、「この時期、多くの人が丸ごと一匹食べるんですよ」と語った。
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画像:stock.adobe.com / NPD Stock
(日刊サン 2023.12.28)