現役の警察官が起こした交通事故に関し、ボディカメラの映像から事故捜査の不手際が明るみになったとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
9月22日の夕方、ホノルル警察(HPD)のバサイ・イサラ警部補は、アロハ・スタジアム近くのカメハメハ・ハイウェイでオートバイの運転手の後ろに激突した。同警部補は補助車(警察業務に使用される個人所有の自動車)を運転しており、事故当時、「最後のチャンス」の観察期間中だった。記録によると、オートバイを運転していた62歳のランディ・サガリオ氏は脳震盪と重い脊椎損傷で病院に運ばれた。
捜査当局は最終的にイサラ警部補が事故を起こしたと断定した。また、同警部補は飲酒運転をしていた可能性があると見られている。
しかし、ボディカメラのビデオに収められた会話の中で、イサラ警部補は駆けつけた警官に、自分もオートバイの運転手もひき逃げの被害者だと主張している。現場にて、警官は、同僚に何が起こったのかを説明する際、「彼(イサラ警部補)は(犯人が)逃げたと言った。バスが自分の車にぶつかったと話した。詳しい話を聞こうとしたが、彼は加害者ではないと言っていた」と語っている。
事故の前、イサラ警部補はパーティに出席していたことがわかっている。ところが、事故報告書によると、現場に駆けつけた警官は同警部補に飲酒検査を実施しておらず、運転能力についての欄は空欄になっていた。
イサラ警部補は18年の経験があるベテラン警官だが、飲酒運転の疑いがかけられたのはこれが初めてではなく、7年前にも飲酒運転で電柱に衝突して逮捕されている。その後、裁判官は2016年の飲酒運転と不注意運転の容疑について無罪を言い渡した。
被害者のサガリオ氏は、「ただ真実を話してほしい。警察官は説明責任を果たす必要がある」と述べた。同氏は、事故から2カ月半が経った今も、頭痛と吐き気、背骨と肩の不調に悩まされているという。
この件に関してリック・ブランジャルディ市長は、「私が就任して以来、これほど警察問題に関心を持ったことはない。なぜなら、これは信頼性と誠実さに関わるからだ」と述べ、問題視する意向を見せた。
ハワイ・ニュース・ナウがこの件を公表したことで、HPDはイサラ警部補をデスクワーク当直とし、警察権を剥奪した。HPDはまた、駆けつけた警官の「事件処理」についての内部調査が進行中であると述べている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.14)