日本からルワンダ、トルコ、ニュージーランドまで、世界中の災害被災者のためにリサイクル可能な紙管を使用した緊急住宅を建設したことで知られる日本人建築家の坂茂(ばんしげる)氏が、マウイ島パイアにある臨済宗妙心寺派ハワイ開教院にて、仮設住宅の見本を設置したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ラハイナ浄土院の主任開教使を務める原源照氏の娘である弥生氏と摩耶氏は、この住宅が危機の時代に持続可能な解決策を提供すると考え、坂氏をマウイに招いた。
20×12フィート(6×3.6メートル)の仮設住宅は、床と壁に合板を使い、構造フレームとなる段ボール紙管で作られている。屋根と数個の窓があり、重石をした木箱の土台の上に置かれている。坂氏といくつかの組織や団体の協力により、わずか3日で建てられた。
坂氏は4日(月)、建築を学ぶ11人の学生たちとともにハワイに到着し、早速作業に取りかかった。彼らは昼食をとった後、仕事に取りかかり、ハワイ大学建築学科の学生たちにも手を借り、6日(水)遅くまでにプロトタイプを完成させた。
原弥生氏は、坂氏の紙管住宅について、「このデザインの素晴らしさは、材料が安価で入手しやすいことだ」とし、シンプルでありながら機能的で、組み立ても分解も簡単であると説明した。
拡張も可能で、バスルームや小さなキッチンを追加することもできるという。
また、建材はリサイクルやアップサイクルが可能で、場合によっては別の場所に移設することもできる。
マウイ島の紙管住宅は、坂氏がトルコやモロッコなどアジアの地震被災者のために以前に作った「ペーパー・ログハウス」をベースにしている。原弥生氏は、このプロジェクトは何が達成できるかを示す一例であり、郡当局がこのプロジェクトに必要な許可を与えてくれることを望んでいると語った。
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画像:stock.adobe.com / Sosiukin
(日刊サン 2023.12.13)