山火事に見舞われたラハイナで採取された灰のサンプルから、ヒ素、鉛、アンチモン、コバルト、銅を含む高濃度の有害物質が検出されたことから、州保健局(DOH)が住民に注意を促しているとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
DOHのケネス・フィンク局長は、火災の残骸に直接触れないよう住民に警告し、「これらのデータは、ラハイナの灰に有毒物質が含まれていることを証明している。その濃度はクラの灰の結果よりは低いが、それでもまだ高いため、引き続き予防措置をとることが極めて重要だ。灰の摂取によるリスクが最も大きいことに変わりはない」と述べた。
灰のサンプルは11月7日(火)と8日(水)に、1900年代から2000年代に建設されたラハイナの100の不動産から採取された。当局は、ヒ素存在が最も懸念されるとし、許容範囲とされる値の11倍も高いと発表した。また、癌の原因となる毒素の土壌環境基準値は1キロあたり23ミリグラムだが、今回の検査報告では平均1キロあたり280ミリグラムだった。
DOHは、ラハイナの火災の影響を受けた地域に出入りする場合は、保護マスクを着用し、灰が舞い散らないよう注意を呼びかけている。当局によると、該当地域周辺の住民は、毎日モップをかけたり、表面をウェットティッシュで拭いたりすることで、埃や灰がついた表面を清潔に保つことができるという。また、暴露/有害物質にさらされることの可能性を減らすため、頻繁に手を洗うことも勧めている。
また、子どもや妊婦はこれらの化学物質の有毒な影響を最も受けやすいため、灰や粉塵にさらされることを極力避けるようアドバイスされている。
ラハイナまたはクラのリアルタイム大気モニターが上昇した場合、一般市民には以下のことが推奨されている。
●暴露を減らし、健康リスクを最小限にするため、屋外での活動を避けること
●屋内にとどまり、すべての窓とドアを閉めること。エアコンを使用している場合は、循環設定にすること。
●被災地から離れる必要がある場合は、車のエアコンをオンにし、再循環オプションに設定すること。
大気モニターの確認はこちら。https://fire.airnow.gov/
ヒ素は、火山性土壌に含まれるほか、1900年代初頭に除草剤として使用されたため、ハワイの土壌から発見される重金属のひとつである。サトウキビでできた建材やシロアリ駆除のために処理された木材にも含まれている。
シェアする
(日刊サン 2023.12.12)