マウイ郡は、ラハイナ廃水再生施設の排出井戸の使用を巡る裁判で、最高裁判所が水質浄化法に則った許可を得るよう求めていることに対し上訴しないことを発表した。郡は今後、2つある井戸を1つにするか、2つとも排除することを目指す意向を示している。井戸の排水を灌漑用として転用し、防火グリーンベルトの確立なども考慮しているという。
複数の環境保護団体が2012年から、「同廃水再生施設からの排水が海に流入しサンゴ礁や海洋生物に悪影響を及ぼしている」とし、マウイ郡を相手取り訴訟を起こしていた。原告側は、同施設の2つの井戸から海に排出された水を追跡した研究結果を根拠の1つとして提示していた。
地方裁判所の裁判では、スーザン・オキ・モールウェイ裁判官が、同施設からの排水について水質浄化法に基づいた許可を得るようマウイ郡に命じていた。これを不服としたマウイ郡は2019年に上訴したが、最高裁判所裁判官は2020年4月、同施設の井戸について、水質浄化法に則った許可が必要であると裁定した。マウイ郡は、環境管理局が高地の貯水池を利用し、施設からの排水が海に直接流入していないようにしているとして、許可は不必要と主張していた。
写真: Shutterstock
(日刊サン 2021.11.22)
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