【ハワイニュース】環境保護団体、ハワイ州沿岸域の状態を「グレードB」と評価 昨年より1段階上がる
アメリカ全土で活動する環境保護団体「ザ・サーフライダー・ファンデーション」が毎年行なっている「ステート・オブ・ザ・ビーチ・レポート」で、今年のハワイ州の沿岸域の状態に「グレードB」の評価が付けられたとホノルルスターアドバタイザーが報じている。昨年の「グレードC」から評価が1段階上がり、ハワイ州は団体が調査を行ったすべての沿岸がある州の67%よりも上位になった。
ザ・サーフライダー・ファンデーションのステート・オブ・ザ・ビーチ・レポートでは、沿岸及び五大湖に隣接する30州とプエルトリコについて、現在の法律や政策、規制の実施、沿岸域管理機関との協力、堆積物の管理、沿岸域の開発、沿岸装甲の状態からパフォーマンスが評価された。ハワイは「A」または「B」を獲得した11州のうちの1州であり、残り67%の州は沿岸域保護のための活動について「標準またはそれ以下」の「C」、「D」、「F」の評価が付けられた。
北東部と西海岸沿岸の州は「B」、南東部と中部大西洋沿岸の州は「C」で、五大湖とメキシコ湾沿岸の州は「D」と評価された。昨年よりも評価が上がった州は、ハワイ、デラウェア、テキサス、コネチカット、ニュージャージー、ノースカロライナ、ジョージア、メイン、メリーランドの各州。また、レポートが開始された2017年以来、11の州で沿岸政策が改善され、より多くの州が沿岸域をより適切に管理し、海面上昇に対応する準備ができていることが示された。
ザ・サーフライダー・ファンデーション・ハワイ地域マネジャーのローレン・ブリックリー氏は、今年のハワイ州の沿岸域の状態評価が去年より上がった理由として「不動産取引で海面上昇の詳細開示を要求する州法「SB 474」及びサステナブルな開発と州の機関の沿岸資源保護に協力することを要求する「HB243」の2つの州法の成立に起因する」と考えている。この州法により、海面上昇の影響を受けやすい地域の特定と対策案の提示に焦点が充てられた。
一方、ハワイ州は今年、海岸の侵食を食い止める護岸と土嚢についての海岸線保護法を施行しなかった。ブリックリー氏は「国土天然資源局の沿岸保全地局が行政規則を更新していることから、今後施行される可能性がある」と予想している。
デービッド・イゲハワイ州知事は先週、英グラスゴーで開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で、異常気象や海面上昇などの気候変動の影響への備えに重点を置いた報告書を提出した。ブリックリー氏は、「他州の沿岸域に比べ、ハワイ州はより気候変動や海面上昇についての認識が高く、進歩的な対策や見通しを持つ傾向がある」と述べた。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.15)
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