ワクチンの保管場所がないかも
新型コロナウィルスのワクチン開発が大詰めを迎えており、臨床実験で90%の効果があるという結果が報告されている中、このワクチンの保管場所について問題が起こっているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
新型コロナウィルスのワクチンは、その効果を維持するために摂氏マイナス75度(華氏マイナス103度)での保存が必要だが、現在ハワイ州においてこの温度を維持できる適切な装置を持っている病院は一つもない。
ハワイ・ヘルスケア協会の社長兼CEOであるヒルトン・レイテル氏によると、いくつかの施設には設備があるが、ハワイ州で必要とされるであろう大量のワクチンを保存するだけのスペースではないという。
月曜日に製薬会社ファイザーが発表した新型コロナワクチンの臨床実験の結果はもしかしたら新型コロナ感染が数カ月のうちに終わるのではないかという期待をもたらしたが、このワクチンの保管方法について発表されてからは現実的な問題に直面した形になった。
ハワイ州議会の下院の健康委員会会長であるジョン・ミズノ議員は、「現在ハワイ州は住民がワクチン接種を受けられるように、輸送問題に取り組んでいる」と述べている。
ハワイ州保健局は、ワクチンが一般接種のための認可を受けた時のための計画はあると発表した。
「ファイザー社が開発した新型コロナワクチンは、1,000回分から5,000回分ほどの量を輸送できる保冷コンテナで輸送される。そのコンテナはドライアイスで超低温を維持できる特別なコンテナだ。新しいドライアイスを入れ替えることによって、保冷コンテナで5日間ワクチンを保存できる。5日ごとにドライアイスを入れ替えることによって、全てのワクチンを使い切るまで適正に保存できる。ハワイ州では十分なドライアイスが供給されるように供給元と協議している」
ワクチンは28日間を置いて2回の摂取が必要だという。
ドライアイスでの特別な超低温保存が必要だということで、人里離れたエリアに住む住民のワクチン摂取には問題が出るかもしれないという心配の声も出ている。
(日刊サン 2020.11.13)
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