【ハワイニュース】州知事の権限抑制に新法案提出の可能性 長引く緊急事態宣言受け ハワイ州
旅行からマスクまで、全ての新型コロナ関連の規制を命令できる州知事の権限の抑制が、州議員の間で取り沙汰されているとハワイニュースナウが報じている。議員らは州知事のみが緊急事態を宣言する権限を持つことに疑問を呈しており、権限に新たな制限を課すための新しい法案を提出する可能性がある。
1年8カ月前、デービッド・イゲ州知事が最初の新型コロナウイルスの緊急事態を宣言して以来、知事自身がハワイ州に悪影響を及ぼすと判断した際、法律を一時的に無効にしたり、新しい規則発効の権限が執行されることになった。これまで、知事による新型コロナに関連する緊急事態宣言は21回発効されている。
州下院議長のスコット・サイキ氏は「宣言が永遠に続く可能性に同意する人はいない。新規感染者数が少なく、ワクチン接種率が高いにもかかわらず、宣言解除へ向けた州知事の動きは遅すぎる。現在、知事の緊急宣言の一部や全体について、議会が不承認決議を出すこと可能にする法案の作成に取り組んでいる」と話した。
州下院議員のヴァル・オキモト氏は、緊急事態における知事の権限を抑制するというサイキ氏の提案に同意するとし、「個人的には既に緊急事態ではないと感じている。また、その運営に行政当局を使うべきではない。現時点での緊急事態宣言は行き過ぎの感があり、対処する必要がある」と意見を述べた。知事が発効した最新の緊急事態宣言は11月30日に失効するが、オキモト氏は宣言再延長の可能性を懸念している。オキモト氏はまた、「各郡は混乱の最中にある上、全ての郡が知事に同意しているわけではない」と話した。
知事は現在、スコットランドで開催中の国連気候変動会議に出席しているためコメントは得られなかった。州司法長官事務所は声明の中で、「知事が発効した全ての緊急宣言は60日後に失効する」とした上で次のように述べた。
「パンデミック下での州住民の健康、安全、福祉を守るための宣言を発動し、特定の法律を一時的に無効にする必要のある状態が続いている。緊急事態宣言は特定の問題に対処し、ハワイ緊急事態管理局(HI-EMA)やその他の組織を通じて各郡を支援できるよう細かく調整されている」。
一方でサイキ氏は、新たな法案が承認されたとしても、知事の自然災害対処に関する完全な権限は残ったままになる可能性が高いと考えている。またサイキ氏は「セーフトラベルやワクチン接種を推進する規則など、知事が宣言した規則の多くに反対はしていない」としながらも、「法律によって議会も権限を与えられるべきだ」との見解を述べた。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.09)
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