ハワイへの旅行需要は全体的に落ち込んでいるが、その傾向は特にマウイ島で顕著に出ており、旅行業界の専門家によると、2024年まで実質的な回復は見込めないようだとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
「プレザント・ホリデーズ」社のジャック・リチャーズ社長兼CEOによると、8月のマウイ島山火事が起こる以前は、2024年のハワイ旅行は16.5%増の予測だったが、現在は州全体でマイナスになっているという。同氏は、「10月から4月まで2桁のマイナスとなる予測だ。時間をかけて少しずつ回復すると見られているが、5月か6月までに通常の水準に戻るとは考えていない」と語った。また、マウイ島の旅行需要は通常レベルを大きく下回っており、山火事の影響や物価の高騰、様々な情報により、人々はハワイに来ることを迷っていると同氏は分析している。
ビジネス経済開発観光局(DBEDT)が30日(月)に発表した予備統計によると、8月の山火事後、マウイ島への旅行者や北米からの旅行者の戻りが鈍いため、9月の到着者数と州全体の名目消費額は2カ月連続で前年同月を下回った。
DBEDTのデータによると、9月のハワイへの訪問者数は約65万1286人で、2022年9月より7.4%減少し、パンデミック前の訪問者数回復率は2019年9月より88.5%に後退した。また、経年の相対価格を示すために調整されていない名目訪問者消費額は、9月に9.6%減の13.7億ドル(約2070億円)となった。しかし、2019年9月の12.5億ドルと比較すると10.2%増加している。
また、9月の前年同月比は各島で異なる結果となった。オアフ島への9月の訪問者数は12.5%増の43万3209人で、名目消費額は3.2%減の6億7660万ドルとなった。カウアイ島の訪問者数は10.3%増の11万5305人、名目消費額は28.9%増の2億2420万ドル。ハワイ島の訪問者は8.6%増の12万9444人、名目消費額は28.7%増の2億5480万ドル。しかし、マウイ島への訪問者数は57.1%減の9万4221人、名目消費額は52.6%減の2億320万ドルに急落した。
リチャーズ氏によると、マウイ島は9月の需要減少の主な要因であり、ハワイ全体の将来の需要も減少している。しかし、それは方程式の一部に過ぎず、米国の旅行需要は、通常よりも顕著な季節的減速を受けている。また、日本人旅行者にとって、ハワイはもはや一番の旅行先ではなくなっており、夏以降、彼らは韓国を好む傾向が現れている。
ハワイ州観光局(HTA)の委託先であるハワイ・ツーリズム・ジャパン(HTJ)のマネージング・ディレクターであるエリック・タカハタ氏は、日本からの到着者数は年末になっても2019年比で約40%から50%ほどの回復になると予測している。同氏によると、日本の大手航空会社からの初期の報告では、日本からハワイへの訪問者数は2024年のうちに2019年の70%から80%以内に回復すると予測しているという。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.10.31)