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【ハワイニュース】ラハイナ沖のサンゴ礁、有害物質の流出で危機

8月のラハイナでの大火災は、多数の死者を出しただけでなく、重金属や貯蔵されていた化学物質、その他の潜在的な汚染物質を保有する都市環境で大規模な火災が起きたことから、それらの有害物質が海に流出し、サンゴ礁が侵害される危機に直面しているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。

ハワイ大学マノア校海洋学部のアンドレア・ケアロハ氏は、「私が知る限り、サンゴ礁の近くで都市火災が起きたことはなく、前例がない」と語っている。全米科学財団から20万ドルの緊急対応助成金を得て、ケアロハ氏とハワイ大学の研究者チームは、ラハイナ近郊のサンゴ礁を採取し、火災による有毒な灰の影響を評価する準備を進めている。

これからやってくるハワイの雨季に、雨によって焼けた土や灰、金属や汚染物質の多くが海に流れ込み、サンゴ礁に多大な影響を与えると予想されている。研究者チームは、「ファーストフラッシュ」と呼ばれる最初の大雨に向けて、より多くのセンサーを配置し、できるだけ多くのサンプルを収集するために、研究者チームを迅速に動員する計画を立てている。

ラハイナでは、環境保護局が被災地に「ソイルタック」という生分解性の土壌安定剤を散布し、灰の上に一時的な地殻を作ることを計画している。ソイルタックは建設業や工業の粉塵対策にはよく使われるが、山火事の復旧に使われるのは比較的珍しい。ケアロハ氏の同僚であるニック・ホーコ氏は、もしうまくいけば、沿岸部に到達する汚染物質を減らすことができるとし、「サンゴ礁に何も悪いことが起こらない可能性もある。しかし今のところはまだわからない。リスクを懸念してこれを行うことが重要だ」と語った。

ケアロハ氏によると、このプロジェクトには、州土地自然資源局、トバ・カレンダー氏率いる西マウイ流域及び沿岸管理プログラム、州保健局、UHマウイ校水質ラボ、フイ・オ・カ・ワイ・オラ、太平洋クジラ基金、ラハイナ・コミュニティのメンバーなど、さまざまなパートナーや協力者がいるという。

この助成金は主に水質とサンゴ礁の健康に焦点を当てているが、チームはサンゴ礁の魚に蓄積される可能性のある汚染物質に関するコミュニティの懸念にも取り組んでいる。ケアロハ氏は、「単に私たちの興味のある科学について答えを求めているだけではない。地域社会のニーズに応える意味でもこれを行っている」と語った。

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画像:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2023.10.23)

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