【ハワイニュース】レストランでインフレ便乗? 2ドルの「インフレ料」巡り集団訴訟 ホノルル
消費者擁護を専門とするベテラン弁護士のブランディー・ファリア氏が、レストランの「インフレ料」を巡って、顧客と共に集団訴訟を起こしたとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
訴えられたのは、チェーンレストランの「ロマノス・マカロニ・グリル」。マカロニ・グリルは今年春以降、インフレ料として顧客に2ドル(約300円)を請求しているが、これについてファリア弁護士は「詐欺的」と主張している。
インフレ料について、マカロニ・グリルは「メニューの値上げを避けるため」と説明しているが、裁判所に提出された訴状には「不公平で欺瞞的」と記されている。
この訴訟を受け、関係者の間では、他のレストランでも料金についての訴訟が起こる可能性について懸念が広がっている。
他のレストランと同様、マカロニ・グリルも、昨今の人件費、電気代、水道代、材料費の上昇などの財政的な圧力に直面している。このような背景で、同店が2ドルの「インフレ料」を追加した際、それを不服とした数人の利用客らがファリア弁護士に相談したという。
同弁護士は、コスト上昇における最善の対応策はメニューを値上げすることと考えている。訴状によると、マカロニ・グリルのインフレ料はメニューで開示されておらず、店員からの説明もないまま領収書にメニュー項目として表示されていた。また、同店のウェブサイトには「コスト上昇は一時的なものである可能性があるため、一時的なインフレ料をプラスする方が(メニューの値上げよりも)顧客に喜ばれる」旨が説明されていた。
ファリア弁護士は、「これは集団訴訟で、インフレ料を支払った人全員が原告として参加できる一方、多くの補償は期待できない」と話した。
州消費者保護局のスティーブン・レヴィンズ局長は、「企業が開示する料金には、明確さ、率直さ、透明性が求められる一方、金額は社会経済状況と相関する必要がある。例えば、『エネルギー料金』と呼ばれるエネルギーコストの一時的な上昇をカバーするための料金は、実際のコスト上昇額に基づく額でなければならない」と話した。
ハワイ・ニュース・ナウによると、マカロニ・グリルは、苦情が相次いだことを受けてインフレ料の請求を止めた可能性がある。同社のオンライン注文のサイトには記載されておらず、アラモアナ・センターのマカロニ・グリルでも、現在は請求が停止されている。
一方、ハワイ州では「キッチン料」や「イートイン料」として追加料金を請求するレストランが増加している。ハワイレストラン協会は、「追加料金の請求は、インフレに伴い、チップ付きの接客担当の従業員と厨房で働く従業員との間の賃金格差が拡大していることへの対応策」と説明している。同協会は、各レストランに対し、請求する料金は、顧客が確認するのに十分な大きさの印刷物に明確に表示するよう呼びかけている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.20)