イスラエルとハマスの戦闘が激化する中、ボランティア活動でガザ地区に滞在しているハワイ女性の安否が心配されていたが、家族によると、安全な場所に移動できたことがわかったという。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、ホノルル出身のラモーナ・オクムラさん(71歳)は、10日(火)の夜遅く、無事に最寄りの国連ビルにたどり着いたという。
ホノルルで生まれ育ったラモーナさんは、母校のハワイ・バプティスト・アカデミーで教鞭をとった後、ワシントンに移り、ワシントン大学医学部で義肢装具学を教えながら働いていた。兄のマイルズ・オクムラさんによると、彼女は退職後、ガザに定期的に赴いていたという。
ラモーナさんはパレスチナの子ども救済基金でボランティアをし、ハマド・リハビリテーション病院で小児切断者の義肢を装着する方法を教えていた。現在も続く戦闘で負傷した子どもたちのために、彼女は義肢の専門家として、簡単な材料を使って義肢を作る方法を技術者に指導していたという。
ラモーナさんの姪のアケミ・ハイアットさんは、「私たちも心の奥底では、彼女がしていることが危険なことだと常にわかっていた。彼女はそのことを十分承知していたし、とても強かった」と語る。
もうひとりの姪のエリカ・オクムラさんは、「彼女はまったく恐れを知らず、無私無欲だ。子どもたちのことしか考えていないし、私にも、私のいとこたちにも、私たち家族の子どもたちみんなにも、いつもそれを示してくれた」と語る。
ラモーナさんは、CNNのインタビューを受けていたバーバラ・プレストン・ジンド博士の家に滞在し、ジンド博士とともにエジプト政府からのビザを待っていた。10日(火)には電気やインターネットが使えず、何時間も家族との連絡が取れない状態だったが、その後ラモーナさんは無事に安全な場所に避難することができた。
ラモーナさんの家族によると、彼女は荷物をまとめてガザのホテルから近くの国連ビルに移動するよう10分前に通告されたという。
避難後、ラモーナさんは、ジンド博士を含む友人たちに囲まれ、ケーキで71歳の誕生日を祝っているビデオを家族に送った。姪のエリカさんは、「おばさんが喜びと安らぎのひとときを少しでも味わえて本当によかった」と語った。
家族の願いは、人道回廊や停戦を通じて、ラモーナさんを無事に家に帰すことだ。エリカさんは、「彼らは罪のない人たちを助けるためにそこにいる。他の誰のためでもなく、それが彼らの一番の優先事項だ。私たちの最大のメッセージは、ただ、ラモーナおばさんを家に帰してほしいということだ。なぜならそれは、苦境にいる人々への援助が行き来できることを意味するのだから」と語った。
メイジー・ヒロノ上院議員の事務所は声明にて、「オクムラさん一家と連絡を取り合っており、彼女の米国への安全な帰還を確保するため、連邦政府の担当者と協力している」と発表した。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.10.12)