日本では11日(火)から新型コロ感染抑制のための旅行規制が大幅に緩和される。
パンデミック中に外国人が日本に入国するために必要だったビザが不要となり、自由に日本に行けるようになる。(注:ワクチン接種証明などの書類提出は必要)
この規制緩和に伴い、観光地や商業地では外国人観光客増加への期待が高まっているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
秋葉原に店舗を構える阿部氏も興奮を隠せないひとりで、同氏の店には、パンデミック前までは外国人観光客が溢れ、多額の買い物をしていったという。
50人の従業員を抱えて2年半生き延びてきたが、周辺には閉店したところもあるという。
大手電気店ラオックスは、秋葉原店を閉め、現在では成田空港と京都の2店舗のみとなっている。
寺社と酒造りで知られる奈良でも、観光客誘致に力を注いでいる。
奈良県観光促進課の辻氏は、「シカで知られる奈良公園はもうすぐ紅葉のシーズンを迎える。人混みを歩くことにまだ抵抗を感じる人にとって、屋外で楽しめる奈良は最適の観光地だ。日本人が長い間守り続けてきた伝統に触れ、寺社や自然に宿る神秘的な力を感じて、奈良を楽しんでもらえればと望んでいる」と、多くの観光客の来訪を期待している。
10年ほど前には、中国人観光客がヨーロッパブランドの超高級品やウォシュレットなどを買い込む様子は「爆買い」と呼ばれ、パンデミック前の2019年に日本を訪れた観光客は3,200万人を超える。
当時、観光客がもたらす経済効果は日本経済の7%強を占めていた。
今回の旅行規制緩和で、全日空や日本航空では需要の増加を見込んで増便を計画しているという。
全日空CEOの井上氏は、「外国人観光客がもたらす経済効果は5兆円とも言われ、非常に期待している」と報道関係者に語った。
増便が予定されているのは、ホノルル、フランクフルト、ニューヨーク、ソウル、パリなどだ。
日本を訪れる外国人観光客を呼び込むためだけでなく、年末年始に海外へ出かける日本人もターゲットだという。
2011年には1ドル80円だった為替レートは、昨年には111円、そして今では30年以上ぶりの145円近くまで円安が進んでいる。
この円安を背景に、多くの外国人観光客の消費が期待されている。
阿部氏は、「このタイミングでの規制緩和は、買い物を楽しみたい外国人にとってまたとない機会だ」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.10)