ホノルル市議会 新しい宿泊税を審議
現在ハワイ州では宿泊客に対して10.25%の訪問者税(visitor tax)が州によって課税されている。
昨年までは州によって徴収されたこの税金のうちから、およそ1億3,000万ドルが各郡に配分されてきた。
オアフ島はその中から44%にあたるおよそ4,500万ドルを受け取ってきたが、今年財政難に苦しむ州議会は、この各郡への配分を今年度から行わないことを決定し、その代わりの財源として、各郡が独自の宿泊税としてTAT(transient accommodations tax)を課税することを承認していた。
それに伴って、ホノルル市議会の財政委員会で今月6日、新しい宿泊税の課税についての法案の審議を開始したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
カウアイ島とマウイ島ではすでに新しい税の徴収を議会で可決しており、TATは11月1日から徴収されることが予定されている。
ホノルル市議会ではTATとして、バケーションレンタルやホテル、タイムシェアなどの宿泊施設に宿泊する訪問者に対して宿泊総代金の3%の課税を検討している。
宿泊施設への直接の支払いが行われないパッケージツアーなどについては、旅行代理店や手続き代行者に課税することになる。
現在審議中の法案では、この新しいTATによって徴収された税は使用目的が限定されており、市の一般会計と共に公共施設や交通機関など観光による影響緩和のために使われることになっている。
リック・ブランジャルディ市長はすでにこの法案について賛成を表明しているが、この税が財政難に陥っているホノルル高速鉄道プロジェクトに利用されることには慎重な姿勢をとっている。
「州から割り振られてきた税収入がなくなった以上、その代わりの税として市がTATを徴収することに賛成です。市民の皆さんに適切なサービスを提供し続ける必要があるからです。しかしながら、鉄道プロジェクトについては、財政難だという数値の詳細が不明で、私を含め市民の納得のいくものであるかどうかわからない状態です」
ホノルル高速輸送局(HART)では9月下旬に行われた取締役会で、TATの一部を鉄道プロジェクトに割り当ててもらうようにホノルル市に要請する決議を採択しているが、一部の市議会議員からは反対する声が上がっていた。
新しいTATの審議は今後も市議会で行われる予定だ。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.10.07)
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