ハワイ先住民コミュニティーでコロナによる死亡数多数
9月中に新型コロナウィルス感染が原因で死亡した人の詳細が発表され、ハワイ先住民コミュニティーに大きな衝撃となっているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ハワイ州衛生局が発表した統計結果によると、ハワイ先住民の人々がコロナ感染で亡くなる確率は他の民族グループと比べて多くなっており、今までに141人のハワイ先住民の人々が新型コロナウィルスに感染して死亡している。
ウィルスに関しての正確な情報をハワイ先住民コミュニティーの中で広げようと活動をしているCOVID Pauというグループによると、特に過去2週間、ハワイ全体のコロナ感染死亡数の40%がハワイ先住民の人々だという。
関係者は、できるだけ多くの人々にワクチン接種を受けてもらうことが重要で、そのためにはそのメッセージを伝える適切な人物が必要だと考えている。
「ハワイ先住民の人々から信頼されており、彼らの質問に答えられるような人物が、ワクチンについての正しい情報を伝えることが重要です。彼らに出てきてもらい一方的に説明するのではなく、彼らのコミュニティーの中でコミュニケーションが取れる人でなければいけません。私たちのグループでは、正しい情報を伝えようとハワイ先住民コミュニティーの家々を1軒ずつ回っています」とグループのディレクターを務めるナアレフ・アンソニー氏が述べている。
ワイアナエ沿岸総合健康センター内にあるハワイ先住民族の伝統的なヒーリングを専門とする部署で働いているユアニタ・ベニオニ氏は「西部に住む人々は誰がコロナに感染し、誰がコロナから回復し、誰がコロナで亡くなったかということをわかっています。けれども、ハワイ先住民コミュニティーにはワクチンに対する不信感があるのです。ハワイ先住民は過去の不幸な歴史のために政府や、外部から私たちのコミュニティーに入ってこようとするグループを信頼しようとしません。それは当然のことなのです」と述べている。
一方で、ハワイ先住民の人々の中で多数の死者が出ているということで、死亡者をこれ以上出さないためにワクチンが重要な手段だということを理解し始めているという。
現時点でハワイ先住民の人々の中で少なくとも1回のワクチン接種を受けているのはたった45%だ。
ワイアナエ健康センターで感染コントロールを担当しているジェイコブ・シェイファー氏は「ワクチン接種率はわずかに増加しているのは良いニュースです。私たちはこれからもワクチン接種を奨励していきます。ワクチン接種率が低い地域では感染力の強いデルタ変異株による打撃が非常に大きいからです」と述べている。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.10.07)
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