ここ何年もの間、ワイキキのカラカウア・アベニュー沿いにあるパビリオンで終日たむろっていた浮浪者たちの姿を最近見かけなくなった。
これは、ホノルル市が主導して「安全で健全なワイキキを取り戻そう」という目的で行われている「セーフ・アンド・サウンド・イニシアチブ(safe and sound initiative)」の結果が出始めている兆候ではないかとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
市は、ワイキキでの犯罪は大きな代償を払うことになるというメッセージを伝えようとしている。
現在、ワイキキで不法行為を繰り返した場合、6カ月間ワイキキに戻ることは許されず、姿を見せた場合には逮捕されることになっている。
ホノルル検察局では、すでに5人の犯罪者をワイキキから追放しているという。
ワイキキ在住のジョン・ドーツマン氏は、「これまではワイキキで問題を起こす人間がいても誰も責任をとろうとしなかったが、今ではトラブルメーカーたちはこの措置を毛嫌いしているだろう。ワイキキにいることに不快感を感じ始めているかもしれない。これは、ワイキキが快適な場所になるということで、観光客にとっても好ましい。これがまさにこの活動のゴールだ」とコメントしている。
ホームレスが集まるオフア・アベニューでも何らかの対策が必要となっている。
カラカウア・アベニューとオフア・アベニューの角にあるセント・オーガスティン・カトリック教会では、路上生活者に食事を提供していることから、周辺には多くのホームレスが集まり、ビーチへ向かう人々にとって好ましくない光景となっている。
市長と警察署長と問題解決について相談をしているという同教会のレイン・アキオナ神父は、「妥協点を見つける必要がある。教会としては、コミュニティの改善のために何らかの妥協をする用意がある」と述べている。
ホームレスへの食事の無料提供をやめるつもりはないものの、最近は様子が変わっていることも認めている。
「昼食の配給が終わると、人々は少し積極的に、さらに声を上げ、もっと欲しいと言ってくる」
5日(水)朝、警察が周囲を一掃し、日中も人々がたむろわないように遠ざけ続けた。
ワイキキの事業者で組織されるワイキキ向上協会(Waikiki Improvement Association)によると、次のステップはホームレスに対応する人員の増強だという。
「精神疾患を持っている人もいれば、薬物使用者もいて、これらに対処する必要がある。ワイキキだけではなく、ホノルル全体、州全体の問題だ」と協会の代表を務めるリック・エッガード氏は述べている。
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写真:Theodore Trimmer / Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.6)