6月末に開通し、夏の間は利用者数の低迷が伝えられていたホノルル鉄道「スカイライン」だが、9月に入って乗客が増えているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
公式発表によると、乗客数は14%ほど増加しており、その理由のひとつに学生の利用が挙げられている。
夏の間、スカイラインの平日の乗車率は1日3000人を下回ることもあった。中でも少なかったのは7月19日(水)で、わずか2600人強に留まっていた。しかし、ハワイ大学(UH)ウェスト・オアフ校の新学期がスタートしたこともあり、市からのデータによると、20日(水)は3400人に急増している。
しかし、この増加にもかかわらず、無料乗車が提供された鉄道開通後5日間の1日平均1万人という数字からは程遠い。ホノルル市交通サービス局(DTS)のジョン・ノウチ副局長は、「もちろん、利用者数があるべきところに達していないと言う反対派もいる。しかし、利用者からは、ニーズに合っているという声を聞いている」と語っている。
利用者数はさておき、開通から3カ月近く経ったいま、99.6%の定時運行を示すデータなど、市が喜ぶべき成果は他にも見られる。
市は、スカイラインの路線が空港まで伸びたら運行時間を延長するとしているが、それは早くとも2025年以降となる見込みで、そうなって初めて鉄道の需要が追いつくと考えている。
鉄道関係者は、スカイラインは決して利潤追求が優先ではなく、利用者数に関係なく赤字運行を続けるつもりだとしている。ノウチ副局長は、「公共交通をサービスとして見ており、お金を儲けようとは思っていない。運営コストは常に運賃による利益よりも多いが、これは全米の公共交通機関全体に言えることだ」と述べている。
スカイラインの運行初年度にかかる費用は8500万ドルと見積もられており、ザ・バスの運行には年間約3億ドルかかる。市は、両サービスの運賃でカバーできるのはそのごく一部に過ぎないとしている。
市当局によると、スカイラインは今後6カ月で1日の利用者数が4000人に達する可能性があるが、空港まで開通すれば、利用者数は1日1万人を超えると見込まれている。
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