ホテル業界 キャンセルの嵐で苦境
ハワイ州内における新型コロナウィルスの感染が拡大し続けている中でデービッド・イゲ知事が観光客に対してハワイへの渡航自粛を要請しておよそ1週間が経ち、州内のホテルでは予約のキャンセルが大量に発生しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ハワイ宿泊観光協会の代表であるムフィ・ハネマン氏は「多くのホテルで大量のキャンセルがあり、収入が減少している状態です。観光客関連のアトラクションや、レストラン、小売業にも影響が出ています」と述べている。
「要するに我々は苦境にあるということです。損失が出ているのです」
ハワイのホテル業界ではパンデミック中に多くの失業者を出している。
もしこのまま予約のキャンセルが続けば、さらに失業者が出てくるだろうと懸念が広がっているという。
ホテル業コンサルタントのキース・ヴィエラ氏は「現時点はまさにキャンセルの嵐の真っ只中です。9月と10月もひどい状態です。この状態が続けば、さらに多くの人々が失業するのではないかと恐れています」と述べている。
すでにある高級ホテルでは、予約のキャンセルにより一部の従業員の解雇を決定したという。
先週イゲ知事は、今回の渡航自粛要請によってハワイ経済に悪影響が出るだろうと認めている。
しかし、新型コロナウィルス感染入院患者が急増している状態でハワイ州の医療システムを守ることの方がより重要性が高いと述べている。
「感染数が落ち着いて、医療施設が治療を必要としているすべての人々に十分な治療を提供できるような状況に戻ったときには、できるだけ早くより多くの観光客を迎え入れることを楽しみにしています」
ハネマン氏はイゲ知事が難しい選択をしなければならなかったことは理解できるとしながらも、ワクチン接種を受けていない観光客に対する対応に集中すべきだったのではないかと述べている。
「すでに知事が渡航自粛要請をしてしまっているので今更私が何を言っても仕方ありませんが、イゲ知事はワクチン接種を受けていない観光客にはハワイに来ないで欲しいと、渡航自粛を求める対象ターゲットを絞った方がよかったのではないかと思います」
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.09.01)
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