日刊サンWEB|ニュース・求人・不動産・美容・健康・教育まで、ハワイで役立つ最新情報がいつでも読めます

ハワイに住む人の情報源といえば日刊サン。ハワイで暮らす方に役立つ情報が満載の情報サイト。ニュース、求人・仕事探し、住まい、子どもの教育、毎日の行事・イベント、美容・健康、車、終活のことまで幅広く網羅しています。

デジタル版・新聞

こぼれ話 ニュース

【世界のこぼれ話】女性の脳から生きた虫を摘出 オーストラリア

オーストラリアの病院で女性の原因不明の症状を調べていた神経外科医が、患者の脳からうごめく虫を摘出したとAP通信が伝えている。

昨年、ハリ・プリヤ・バンディ医師は、キャンベラ病院で64歳の患者の頭蓋骨に穴を開けて生体検査を行っていたとき、鉗子を使って3センチほどの寄生虫を引き抜いた。地元紙キャンベラ・タイムズでは、「ただ、『何だろう?意味がわからない。でも生きていて、動いている』と思った。それは勢いよく動き続け、私たち手術チームはみな、少し気持ち悪くなった」と同医師のコメントを引用している。

この生物は、これまで人間に寄生するとは知られていなかったオーストラリア固有種の回虫「オフィダスカリス・ロベルツィ」の幼虫だということがわかった。この回虫はカーペットパイソンによく見られる。

バンディ医師とキャンベラ病院の感染症専門医サンジャヤ・セナナヤケ医師は、「Emerging Infectious Diseases」誌の最新号にて、この異常な医療事例に関する論文を執筆している。

この虫が発見された時勤務中だったセナナヤケ医師は、「『感染症の患者がいる。この患者の脳から生きた寄生虫を取り出した』と電話があった」と振り返る。

患者の女性は、3カ月の間に物忘れとうつ病の悪化を経験し、キャンベラ病院に入院していた。スキャン検査では彼女の脳に変化が見られた。その1年前、彼女は腹痛、下痢、乾いた咳、寝汗などの症状で彼女の地元であるニューサウスウェールズ州南東部の病院に入院していた。

セナナヤケ医師は、脳の生検で癌か膿瘍が発見されるだろうと考えていたという。「この患者は謎の病気で治療を受けていたが、寄生虫を見つけることができなかったので、最終的には免疫疾患だと考えていた。しかし、スキャン検査で突然、大きなしこりが脳の前頭部に現れたのだ」

しかし、脳の生体検査をするために頭蓋骨に穴を開けてみると、うごめくものがあり、バンディ医師は鉗子でそれを掴み取った。手術室にいた誰もが唖然としたという。

同医師によると、患者は虫を摘出した後、特に悪い影響もなく意識を取り戻したという。「患者は、長い間自分を苦しめていたものに対する答えが得られたことにとても感謝していた」

患者は手術後すぐに抗寄生虫薬を投与されて帰宅し、それ以来病院には戻っていないという。

この回虫の卵はヘビの糞に混じって排出され、小型哺乳類が食べる草を汚染する。他のヘビが哺乳類を食べることで、そのライフサイクルは続く。この患者はニシキヘビの生息地の近くに住んでおり、ワーリーガルグリーンと呼ばれる自生の植物を採って料理をしていたという。彼女はヘビと直接接触していないが、専門家たちは、彼女が草木や汚染された手から卵を摂取したという仮説を立てている。

シェアする

写真:Shutterstock

 

(日刊サン 2023.8.31)

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
Twitter
Visit Us
Instagram