液体酸素の製造もフル稼働
新型コロナウィルス感染で重篤な状態となって入院している患者に対する最も必要な措置は酸素吸入だ。
しかし先月以来、医療機関では酸素吸入器の利用が最大限に達している状態が続いており、液体酸素の供給が逼迫しているとKHONが伝えている。
ハワイ島コナ・コミュニティー・ホスピタルでは、液体酸素ボンベのオーダーを月1度から4度に増やした。
ハワイ・ヘルスケア協会によると、ハワイで液体酸素を製造している工場は2カ所あるが、需要に追いつくために操業時間を延長しているという。
代表のヒルトン・レイテル氏は「これらの工場では現在、医療用の液体酸素の製造のみに特化して、フル操業で毎日製造を続けています」と述べている。
一方で、集中治療室の病床も厳しい状況が続いている。
ヒロ・メディカル・センターでは集中治療室の収容人数が11床であるのに対して、17床に増やして看護に当たっている。
ハワイ州内の集中治療室病床数の合計は343床だが、そのうち255床がすでに使用されており、予備用酸素吸入器もほとんどが使用されているという。
レイテル氏は「もし酸素吸入器が足りなくなったら、医療機関が融通しあって酸素吸入器を移動させたりすることになります。島から島への移動も考えられます。もし必要となれば本土から持ってくることも可能です」と述べている。
医療関係者は、この週末のレイバーデー3連休を懸念している。
「飲酒運転事故や海での水難事故、その他様々な事故が起これば、医療機関に対する負担はますます大きなものになります」
救急搬送を依頼する911コールも最多記録を更新している状況だ。
ホノルル救急医療サービス局のジム・アイルランド局長は「昨日の911コールを見ると、4分の1から3分の1は発熱、息苦しさ、低酸素状態といった新型コロナウィルス感染です」と述べている。
「医療機関や救急システムは既に大きな負担を抱えています。これ以上逼迫した状態に陥らないように、皆さんには十分わきまえた行動をお願いしたいと思います」
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.08.31)
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