「ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズ」社(HEI)は、マウイ島で発生した大規模な山火事の影響を受け、資金の補強を図るためにリボルビング・クレジット・ラインを引き下げ、四半期配当を停止するとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
HEIは、第3四半期の1株当たり36セントの現金配当を停止すると、規制当局への提出書類で発表した。契約上、山火事が起こる前の3日(木)に宣言した配当金を支払う義務がある。
23日(水)、HEIとその傘下の「ハワイアン・エレクトリック」(HECO)は、それぞれ1億7000万ドルと2億ドルのリボルビング・クレジット・ラインを引き出した。提出書類によると、この資金は「流動性の高い短期投資」に充てられるという。
HEIと同社が所有するアメリカン・セービング銀行の取締役を務めていた3人の独立取締役は、「銀行での業務のみに集中するために」同銀行の取締役のみを務めることとなる。同社によると、同銀行の顧客の預金は、火災に関連した法的請求によるリスクはないという。
今月初めにラハイナの大部分を焼き尽くした火災は、HECOの送電線が引火したために発生したと主張する多数の訴訟が起こされている。投資調査会社の「キャップストーンLLC」によると、HECOに過失があると見なされた場合、潜在的な負債は40億ドル(約5850億円)近くに達する可能性があるという。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.25)