【ハワイニュース】ハワイ大学理事会 臨時スタジアムに3,000万ドルの工事を承認
ハワイ大学の理事会は、現在使用しているクラレンス・T・C・チン・スタジアムの収容人数を17,000人までに引き上げる改修工事計画案を承認したとKHON2が伝えている。
その費用である3,000万ドルという金額については大きな懸念があるものの、施設を現在のままの状況にしておくことはより大きな問題となるとしている。
この問題の発端となったのは、今までアメリカンフットボール部の対外試合を開催していたアロハ・スタジアムが取り壊され、新しいスタジアムが建設されるまでの間に使用できるスタジアムがないことだ。
昨年は、今まで練習用フィールドとして使用していた場所に9,300席の観客席を設置して、チン・スタジアムを大会用スタジアムとして使用したが、アロハ・スタジアムが完成するまで数年かかると言われている中で今後どうするかを検討する必要があった。
今回理事会が承認したのは、2023年のシーズンに間に合うように観客席を現在の9,300席から17,000席へ増設する工事を来年1月から開始するというものだ。
ただ、問題は3,000万ドルという費用をかけてチン・スタジアムを完成させても、アロハ・スタジアムが完成したら大会の開催は再びアロハ・スタジアムになる。
理事の1人であるゲイブ・リー氏は「3,000万ドルという金額は非常に大きなものです。一時的な目的のために多額の費用をかけずにもし何か別の方法があれば、トラック競技場をそのままにするということも考えました」と述べている。
トラック競技場をそのままにすることで工事費用は半分にすることができるものの、現実的ではないと大学側は訴えていた。
ハワイ大学の運動部ディレクターのデービッド・マトリン氏によると、もし毎試合15,000人以上の観客を集められないとアメフト部は第1ディビションとしての地位を失うことになるという。
理事会では賛成9人反対1人で改修工事が承認された。
今回の承認を受けて、アメフト部の新しいヘッドコーチであるティミー・チャン氏は次のように述べている。
「私たちはこのニュースを聞いて本当に嬉しく思っています。チームのみんなだけでなく、ハワイ州の皆さんにとっても素晴らしいことです。これでより多くの人々が私たちの試合を観に来ることができるようになるのですから」
今シーズンは現状のチン・スタジアムでの開催となる。
一方、アロハ・スタジアムの完成に関してはまだ不透明な状況だ。
本来なら2026年のシーズンに間に合うよう完成される予定だったが、すでに遅れの可能性が指摘されている。
ハワイ州公共工事監督責任者であるクリス・キニマカ氏は「これまで進めてきた日程は全て今年半ばまでに正式な承認が下りるという前提でした。しかしまだその段階に達していないため、すでに日程に遅れが出ています」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.8.19)