ヤング・ブラザー社はハワイ州の島間のコンテナ輸送を担っている会社でしばらく財政難に陥っていたが、新型コロナウィルス感染拡大により輸送量が大幅に減少して、さらに厳しい状態となった。

ヤング・ブラザーは島間のコンテナ輸送の一部を停止して、ハワイ州政府に対して救済を求めていたが、8月17日にハワイ州の公共事業委員会よって46％の輸送量の値上げを認可されたとKHONが伝えている。

委員会の公聴会では、消費者団体からはあまりに急激な値上げだと反対意見が出されていたが、ヤング・ブラザー社は、「もしこの値上げが認められなかったら、島間のコンテナ輸送は即刻停止せざるを得ない」状況だと発言しており、最終的には島間のコンテナ輸送を維持するために値上げが承認された。

ただし、この承認にはいくつかの条件が課されている。

現在輸送がストップしている一部の路線を含め、9月1日までに全ての輸送をコロナ感染勃発前の状況に戻すこと。

そして、委員会によって選出される独立機関の専門家による財政分析と経営分析の監査を定期的に受けることだ。

消費者団体からは、財政危機は会社の経営のまずさが原因なのに、この大きな値上げで消費者に責任を取らせることは納得できないと不満が出ている。

ハワイ小売業者団体のトップであるティーナ・ヤマキ氏も、「ヤング・ブラザー社がハワイにとってなくてはならないサービスを提供していることは理解するが、この値上げは、中小の小売業者にとってビジネスを継続できなくなるかもしれないほどの致命的なものだ」と述べた。