新型コロナウィルス感染の拡大が止まらない状況の中で、クイーンズ・ヘルス・システムズでは集中治療室の病床に空きが無くなり、緊急でない手術をキャンセルしたり、緊急手当の必要な患者を別の医療施設へ転送しなければならない状況になっているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。

8月16日、クイーンズ・ヘルス・システムズの最高執行責任者（COO）で、クイーンズ・メディカル・センターの院長であるジェイソン・チャン氏は「我々の医療施設の集中治療室のベッドに空きはありません。集中治療室には心臓発作や、脳卒中、その他の重度の外傷を負った患者とともに、新型コロナウィルスに感染した患者が増加しており、全てのベッドが使用されている状態です」と述べている。

「医療スタッフは全力を尽くしていますが、人手も不足してきています。みんな疲労しており、手当てをしている患者がワクチン接種を受けていないとわかるとフラストレーションを感じています。ワクチン接種を受けていればほとんど予防できたはずだからです」

先週クイーンズでは救急医療担当部署がいっぱいになったため、患者を別の医療施設へ転送しなければならなくなったという。

また、緊急でない手術についてはそのほとんどをキャンセルし始めており、医師たちは患者に悪影響なくどの手術とどの処置を延期できるかについて検討を始めている。

「1週間くらい延期できるかどうかを検討しています。外科医たちは自分の患者の状態を見て1週間か2週間手術を延期することが可能かどうかを決めなければならない状態です。ベッドも足らないし、スタッフも足りません。一番問題なのは、この状況に終わりが見えないということです。手術を2週間延期したからと言って、2週間後に状況が悪くなっているかもしれないのです」

非常に感染力が強いとされているデルタ変異株が、ハワイにおける感染者数を最高値にまで押し上げている。

7月初旬には1日の新規感染者数が50件だったが、先週の新規感染者数の1日平均は652件だ。

8月16日にはハワイ州内で308人の感染患者が入院しており、そのうち52人が人工呼吸器を装着している。