州内の膵臓移植プログラムが来週から停止するとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ハワイで唯一膵臓移植手術が行われているクイーンズ・メディカル・センターでは、昨年から新しい外科医の獲得に取り組んでいるが、見つからないという。
現在、州内で膵臓移植を待っているのは2人だが、今後、アメリカ本土のどこかの州で移植希望登録をして待機することになる。
通常、ハワイから比較的短い時間で行けるカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州が候補としてあげられる。適合提供者が見つかった場合の時間的な問題が理由だが、実際にはそんなに簡単なものではないという。
移植の前後、共に治療が必要で、家族と1カ月滞在することになれば、費用はさらにかさんでいく。
今回は、膵臓移植外科医が見つからなかったが、それでなくとも州では、医療従事者の不足が問題となっている。
ハワイ医療協会のヒルトン・レイテル氏は、「ハワイは生活費が非常に高く、本土から遠く離れており、一般に本土から医師を呼び寄せるのは、かなり難しい」と話す。
このところ州では入院患者数が急増加しており、今週は2,500人近くになっている。
これは、デルタ変異株の感染拡大で医療が逼迫していたピーク時より100人以上も多い。
患者の増加に対応するため、本土から300人以上の医療従事者を呼び寄せている状態だ。
クイーンズでは、膵臓移植については、外科医が見つかり次第再開するとしているが、臓器提供についてもハワイの人々に考えてもらいたいという。
州内の臓器移植待機者は400人以上おり、ほとんどが肝臓を必要としている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.8.12)