ハワイ州観光局(Hawaii Tourism Authority:HTA)が発表した「ハワイ・ホテル・パフォーマンス・レポート」によると、ハワイのホテルは、今年上半期の1日平均宿泊料金が380ドル、1室あたりの売上(RevPAR)が285ドルで、人気のニューヨークやマイアミを抑え全米トップとなったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ハワイのホテルの稼働率は74.9%で、全米6位となった。「STR」社からのデータを用いて編集されたHTAのレポートによると、稼働率がハワイよりも高かったのは、ラスベガス、ニューヨーク、オーランド、タンパ、マイアミだった。
ハワイのホテル関係者によると、2022年に多くのアメリカ本土からの旅行者がパンデミックの喪失を取り戻すかのようにハワイに押し寄せた、いわゆる「新型コロナのリベンジ旅行シーズン」ほど、今年の夏は活気を帯びていない。それでも、全米の他の地域と比べると、ハワイはそれなりに持ちこたえているようだ。
「CoStar Group」のホスピタリティ分析シニア・ディレクターであるエミー・ハイセ氏は、「マウイ島をはじめとするハワイの島々の市場は、依然として全米で最も高い(1日平均客室料)水準にあるが、ここ数カ月は前年同月比で減少している」と語った。
HTAは今年上半期の6カ月間、州全体の平均1日客室料は、2022年の同期に達成された365ドルから3.9%増加し、280ドルだった2019年から35.6%増加したと報告した。州全体のRevPARは、ホテルの各部屋がその稼働状況に関係なく獲得する金額の指標であり、上半期は2022年の266ドルから7%、2019年の225ドルから26.3%増加した。また、州全体の稼働率は、2022年の72.7%から2.2ポイント上昇し、稼働率が80.5%だった2019年の同時期から5.5ポイント低下した。
最近の軟化傾向にもかかわらず、6月、ハワイ旅行者はホテル客室に高い料金を支払っており、1日平均客室料は389ドル近くまで伸び、2019年6月の281ドルからは38.6%上昇したが、2022年6月に達成した397ドルからは2%低下した。
CoStar社は、リベンジ旅行が終わり正常化に至っており、全米のレジャー地では軟化が続くと分析している。全米の客室稼働率は今年の夏季にすでにピークに達した可能性があり、今年末から来年の第1四半期にかけて景気後退が起こることを予測している。ハイセ氏は、一般家庭での貯蓄が減少し、借金やクレジットカード請求が増加していると指摘し、「ハワイで散財していた人たちの多くはもう姿を消し、不況に対する備えのある人たちが旅行をするだろう」と述べている。
2023年上半期の全米トップのデータは下記のとおり。(%は増減率)
【1室あたりの売上高】
- ハワイ 284.51ドル(7%)
- ニューヨーク 204.93ドル(23.2%)
- マイアミ 186.81ドル(-7.1%)
- オーランド 156.64ドル(11.4%)
- サンディエゴ 149.29ドル(8.6%)
【1日平均客室料】
- ハワイ 379.68ドル(3.9%)
- ニューヨーク 264.01ドル(8.7%)
- マイアミ 248.99ドル(-5.8%)
- サンフランシスコ/サンマテオ 226.46ドル(12.5%)
- ボストン 211.04ドル(7.7%)
【客室稼働率】
- ラスベガス 78.0%(5.2%)
- ニューヨーク 77.6%(9.1%)
- オーランド 76.4%(2.3%)
- タンパ 75.3%(0.0%)
- マイアミ 75.0% (-1.1%)
- ハワイ 74.9%(2.2%)
出典:STR Inc./HTA
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.1)