ホノルル高速鉄道 テスト運転中ドアが開く事故
ホノルル高速鉄道のテスト運転は毎日行われてきたが、自動運転の列車が動いている最中に乗降ドアの一つが開くという事故が起こってから1週間以上もテスト運転が中止されているとホノルル ・スター・アドバタイザーが伝えている。
ホノルル高速輸送局(HART)の暫定CEOでエグゼクティブ・ディレクターであるロリ・カヒカナ氏によると、HART側は今週か来週にはこの事故についての報告書を鉄道運行業社である日立レールから受け取ることになっており、その後にテスト運転は再開される予定だという。
ホノルル高速鉄道の自動運転列車は4両編成で1両につき6つのドアがついているが、安全上の理由から列車が動いている間ドアは開かないことになっている。
現在HARTは島内に17車両を所有しているが、最終的には20車両を所有することになっており、これまで毎日7車両のテスト運転が行われていた。
カヒカナ氏はホノルル・スター・アドバタイザーに対して、列車が動き始める前にドアが開いたのか、あるいは、動いている最中に開いたのかはわからないと述べている。
また、ドアが開いていることが判明したときに列車がどのくらいの速さで動いていたのかもわからないと述べたが、本格的運行の開始までにはその他の問題点も含めて全てを洗い出し、それらを解決するために毎日の試験運行を行なう予定だとしている。
HARTは、全てのシステムが整い、そしてさらに90日間のテスト運転が問題なく完了した後に、このプロジェクトをホノルル市に受け渡すことになっている。
カポレイ東部からアラモアナ・センターまでの全長20マイル、21駅のプロジェクトは現在124億9,900万ドルに膨れ上がっており、30億ドルの赤字となっている。
運行開始時期については2031年3月以降が予定されている。
今年初めには、線路が交差する12箇所のジャンクションにおいて、車両についている車輪に対して線路が0.5インチ広すぎるという問題が起こっていたことが判明したばかりで、この問題についても現在解決方法が模索されている状態だ。
また、HART取締役会の会長を務めていたトビアス・マーティン氏は今月突然辞職を発表したが、自身が副社長として働くスティフェル・ファイナンシャル社がホノルル高速鉄道に関連したホノルル市債の販売によって利益を受けていたのか、そして、この件が利益相反の犯罪行為に当たるのではないかと州と連邦政府に対して捜査を求める声が上がっていた中での辞任となった。
写真: maunaluaphoto / Shutterstock.com
(日刊サン 2021.07.28)
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