ワイキキにある1本の木の状態に気づいた視聴者からの情報を受け、KHON2がレポートしている。
問題となっているのは、フォート・デルッシー公園の近くにあるハラ(タコノキ)の木だ。
ハラの葉に大量に付着している小さな粒は「ハラ・カイガラムシ(ハラ・スケール)」と呼ばれる外来種の昆虫で、木に害をなす。
州農務局によると、ハラ・カイガラムシは、1995年にマウイ島のハナ地区で最初に発見されて以来、オアフ島とモロカイ島で感染が確認されている。
ハワイ大学で昆虫学を教えているマーク・ライト教授はこの害虫について、「木の葉に住みつき、ストロー状の口を葉に差し込んで養分を吸い取ってしまうため、葉が枯れてしまいます」と説明している。
ハラ・カイガラムシは、白い輪の形で中央部に黒い点があるように見える非常に小さな昆虫だ。
ハワイ島ではまだ見つかっていないが、ハワイ島外来種委員会(BISC)では警戒しているという。
BISCの担当者、フラニー・ブリュアー氏は、「ハラ・カイガラムシを見るとわかりますが、本当に小さな昆虫なので、何かに混じって簡単に島内に入り込んでしまいます。残念なことに、毎年いくつもの外来種が発見されており、非常に警戒しています」と述べている。
ハラの木は、ハワイ在来種で、海岸近くで良く見られる。
ハワイでは、ハラの葉を使って色々なものを編む伝統が何世代にもわたって継承されてきており、ハラの存続を脅かす害虫は、その伝統をも危うくするものだ。
専門家は、ハラ・カイガラムシが付着するハラの木を見かけたら、決して自分では触らず、州農務局(Hawaii Department of Agriculture : HDOA)に連絡をするようにと話している。
州農務局の運営する「643ペスト・ホットライン」で通報することができる。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.7.25)