公立学校の飲料用水道、水から鉛が検出
過去数カ月にわたって行われた検査で、ハワイ州にある公立学校の飲料用水道口93個からの水に鉛が検出されたとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
問題のあった蛇口はすぐに撤去されたと州当局は発表している。
これは今年2月から開始された全国規模の検査の一環で、アメリカ中の公立学校と保育施設の飲料用水道の安全性について検査が行われている。
ハワイ島、マウイ島、カウアイ島にある58の公立学校と70の保育施設では検査が完了しているという。
現在までで93個の蛇口から検査された飲料水の中から基準値以上の鉛が検出されており、保育施設においても4個見つかっている。
州衛生局の飲料水安全課のマイケル・ミヤヒラ氏は「該当の蛇口のあった学校と保育施設には検査結果を通達しました。問題が解決するまで、基準値以上の鉛が検出された水は飲料用としても調理用としても使用されることはありません」と述べている。
オアフ島における検査は7月中旬から開始されており、検査結果については順次開示されることになっている。
鉛は自然界に存在する重金属で、昔からパイプなどの製造に使用されてきた。
鉛が人体に大量に摂取されると、脳や神経系に害を及ぼす可能性があるとされており、特に子供が長期間にわたり鉛を摂取すると学習や注意力などの行動に問題を起こしたり、貧血やその他の健康問題が出るという。
2015年にミシガン州フリント市で古い水道管から高濃度の鉛が浸潤して市民の多くがその水に摂取していたことが判明して以来、アメリカ国内では飲料水の鉛について懸念が広がっている。
ハワイ州の公立学校では飲料水の中の鉛についての検査は今まで行われてこなかったが、連邦環境保護庁からの助成金222,000ドルを獲得して今回の検査を行っている。
問題の見つかったほとんどの箇所で、鉛は蛇口そのものから排出されたものであり、水道水自体に含まれていないという結果が出ているが、問題が水道水なのか蛇口なのかというさらに詳細な検査が行われる予定となっている。
学校名や検査結果などの詳細についてはこちらから。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.07.23)
シェアする