国立気象局の発表によると、カリフォルニア州中部のネバダ州との州境に広がるデスバレーの気温は、通称「ファーネス・クリーク(暖房炉の小川)」の名にふさわしく、16日(日)に華氏128度(摂氏53.33度)に達したとAP通信が伝えている。
地球上で華氏130度(摂氏54.44度)以上が記録された例はほんの一握りだが、そのほとんどはデスバレーで、これまでの最高気温は、1913年7月にファーネス・クリークで観測された華氏134度(摂氏56.67度)だ。
ファーネス・クリークはデスバレー国立公園内にある法人化されていないコミュニティで、そこにあるビジターセンターには、旅行者に人気のデジタル温度計が設置されている。16日(日)の午後、何十人もが温度計の前に集まり、中には冗談で毛皮のコートを着た人もいた。なお、そのデジタル温度計は同日のある時点で華氏130度(摂氏54.44度)を示したが、これは公式な数値ではなく、国立気象局で公式に記録された最高気温は華氏128度(摂氏53.33度)となっている。
この猛暑は、週末にアメリカを襲った異常気象の一端に過ぎない。ペンシルベニア州では15日(土)に大雨が鉄砲水を引き起こし、複数の車が流され、5人が死亡した。生後9カ月の男の子と2歳の女の子が行方不明のままである。バーモント州では、何日も洪水が続いた後に雨が降り続き、当局は土砂崩れを懸念していた。
このデスバレーでの最高気温の記録は、アメリカ人のおよそ3分の1が何らかの猛暑の勧告や注意報または警告の下に置かれている、猛烈な暑さが続く中で起こった。熱波は他の自然災害ほど視覚的に劇的ではないが、専門家はより致命的だと言う。先月、南部と中西部の一部で発生した熱波により、12人以上が亡くなっている。
カリフォルニアからフロリダまで、アメリカ南部のいたるところで暑さの記録が塗り替えられつつある。しかし、それ以上のことが世界的規模で起こっており、壊滅的な暑さがヨーロッパを襲い、アメリカ北東部、インド、日本、中国では劇的な洪水が発生している。
複数の気象機関によれば、6月も記録的な暑さだった。専門家は、2023年は19世紀半ばまでさかのぼった観測史上最も暑い年になる可能性が高いと述べている。
なお、イランのルト砂漠など、酷暑で知られる場所は他にもあるが、デスバレーのように人が住んでいないため、気温は測定されていないという。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.7.17)