ハワイ大学の研究者らが発表した最近の報告によると、ハワイのほとんどの家庭が、自然災害時に十分な水、食料、医薬品を備えていないことが明らかになったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
この研究は、ハワイ大学西オアフ校のアルビー・マイルズ教授とコンスタンチノス・ゾウグリス社会学教授が行ったもので、ハリケーン、津波、洪水、地震、火山噴火などの自然災害に対するハワイの家庭の備えについて、認識と実際の違いを調査した。その結果、州全体において、家庭での緊急事態への備えの割合が非常に低く、多くの人々は、ハワイ緊急事態管理局(HI-EMA)が14日分の食料、水、必要な医薬品を推奨していることを知らなかったという。
調査によると、全州の約1000世帯の調査対象者の56%が、「自然災害に対して十分な備蓄がある」と考えていると答えたが、実際にHI-EMAが推奨する十分な飲料水、食料、医薬品を持っているのはわずか12%だった。また、対象世帯の約24%は、適切な情報が得られなかったため備蓄がなかったと回答している。
連邦緊急事態管理庁(FEMA)では、3日分の備蓄を推奨しており、ハリケーンに弱いいくつかの州では7日分の備蓄を推奨している。一方、HI-EMAはだいぶ多い14日分の備蓄を推奨しているが、それはハワイ諸島の地理的条件が理由で、最も近い州から何千マイルも離れており、自然災害時の連邦政府の対応が遅れるためだ。
HI-EMAが現在推奨している非常持ち出し品は以下の通り。
・14日分の食料、水、薬:1人1日1ガロン(約3.8リットル)の水、缶詰スープや栄養バランスの取れた保存可能な食事などの非生鮮食料、手動式缶切り。
・重要書類:パスポートや運転免許証などの身分証明書、デビットカードやクレジットカードの情報、口座番号などの銀行情報、すべての保険情報、医療指示書、不動産の権利書と証書のコピー、処方箋と服用薬のコピー、家族と重要な連絡先の電話リスト。
・衛生用品:歯ブラシと歯磨き粉、石鹸とシャンプー、抗菌ウェットティッシュ、マスク、除菌剤、トイレットペーパー(芯を外したもの)、消臭剤、目のケアに必要なもの、保湿ローションなど。
・その他:電池式または太陽電池式のラジオ、懐中電灯と予備の電池、ゴミを入れるビニール袋と結束バンド、ホイッスル、マッチ、毛布、防水シート、小額紙幣の現金、救急箱。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.7.17)