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20年実刑判決の暴行事件 判決無効

20年実刑判決の暴行事件 判決無効

2016年に10代少年に対する性的暴行の罪で起訴されたマシュー・ウィリアムさんは、20年の実刑判決を受けて服役した。

そして刑務所で5年の日々を送っていたが、先週ハワイ州最高裁判所がこの判決を無効としたとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。

理由は検察側の違法行為によって、公正な裁判を受けられなかったからだという。

「検察側は、弁護側に事前に開示することなく、ウィリアム氏によって行われたとされている自白調書を陪審員に提示しました。そして検察側は、目撃者とされる人物が被告を告発する調書などを含め、裁判所が提出を認めていなかったものも陪審員に提示しました。最後には、検察官は陪審員を扇動するために、弁護側の証人に対して不適切で、不必要な、馬鹿げた質問を行いました」

2016年の裁判で判決を下したグレン・キム裁判官(裁判自体を審議したのは別の裁判官)は、すでに判決時に「この有罪判決が成立するかどうかかなり疑わしいと私は思います」と述べていた。

ウィリアム氏の弁護士であるエリック・シーツ氏は「私の依頼人はプロの写真家で犯罪歴もなく、刑務所で苦しんでいたのです。ウィリアム氏は刑務所の中で新型コロナウィルスにも感染して、一時的には重篤な状態になりました。刑務所での5年間は彼にとって本当にひどい経験となりました」と述べている。

この事件は物的証拠が何もなく告発者の話だけで成り立っており、新しい裁判がホノルル裁判所で行われることになるだろうという。

検察側はこの事件で再度起訴する予定であるということ以外のコメントは出していないが、一部の法律家によると、この事件は裁判にかけられるべきではないという。

ハワイ・イノセント・プロジェクトのケン・ローソン弁護士は「提出されている証拠の状態から見て、検察は再度起訴するべきだと思いません。(証拠がないから)検察側が違法行為を行い、裁判官の命令を無視したのです。これは起訴できるだけのしっかりした事件ではなかったのです」と述べている。

写真 :  Shutterstock.com

(日刊サン 2021.07.08)

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