太平洋に漂流している100トン以上の海洋廃棄物を集めて、環境保護団体オーシャン・ボヤージュの船が6月22日にホノルル港に到着した。
カリフォルニア州サウサリートに本部を置く非営利環境団体は、5月初旬に貨物船をチャーターして、48日間にわたる海洋廃棄物収集の航海にハワイ島ヒロから出発していた。
太平洋の表面と海中から集められた海洋漂流廃棄物の量は103トン、史上2番目に多い量で、去年夏の25日間の航海で集められた42トンのゴミと比べると2倍以上である。
ゴミのほとんどは有害な消費材プラスティックと海洋を漂っている漁業網などで、海洋ゴミを海から取り除くことは、サンゴ礁や鯨、イルカ、ウミガメなどの野生動物の保護にも繋がるという。
団体の設立者であるメアリー・クロウリー氏は声明の中で、「船員たちは本当によくやってくれて誇りに思う。100トンのゴミ収集という目標を掲げていたが、それを達成できた。私たちはこれからも、私たちの健康と地球の健全な姿に影響を与える海を守り続けたい」と述べた。
今年の航海は、本来ならもっと大きな規模で行われる予定だったが、新型コロナウィルス感染拡大のために規模縮小を余儀なくされていた。
5月の航海前には、船員の自己検疫や乗船前の感染テストを行うなど、健康面からの航海の安全には万全を期した。
ロープや漁業網、プラスティックなどの集められたゴミは、海上運輸会社マトソンの協力で本土西海岸に送られ、そこで建設資材や燃料に生まれ変わって再利用されるという。
団体では、次の海洋廃棄物収集の航海のために基金を集めている。
(日刊サン 2020.6.24)