カハラ地区の豪邸の並ぶ一角にある穴場の海水浴場は、地元の若者に人気があるが、その危険性から閉鎖の動きが出ているとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
「クロムウェルズ」の名で知られるカハラ地区の小さなローカルビーチの東隣りには、ダイヤモンドヘッド防波堤とココヘッド防波堤という2つの防波堤に囲まれた小さな天然プールがある。この場所は、ドリス・デューク財団が所有する美術館「シャングリ・ラ」に面しており、砂浜はなく、海沿いには岩壁と鉄柵が続いている。この2つの防波堤は、もともとは1938年に自家用船舶のための船溜りとして建設されたものだ。
近年、この場所で海に飛び込み、負傷する人が出ていることから、現場には「この場所で2人が下半身不随になっている。ダイビング禁止」という警告標識が設置されているものの、飛び込みをする人が後を絶たないという。
2018年には、負傷した海水浴客が訴訟を起こすことを決めたため、所有者であるドリス・デューク財団が防波堤の撤去許可を州に申し立てた。しかし、土地自然資源委員会(BLNR)はこの撤去案にゴーサインを出さなかった。同財団はその後、ダイヤモンドヘッド防波堤を州土地局に譲渡した。現在、州土地局はBLNRに取り壊しの許可を求めている。
ドリス・デューク財団、沿岸規制当局、州土地局は、23日(金)に理事会にこの提案を提出する予定だ。この計画に批判的な人たちは、防波堤の撤去はかえってこの地域をより危険なものにすると主張している。
カハラに住むウィリアム・サンダース氏は、防波堤の保存を望んでいる住民の一人だ。撤去は遊泳区域を破壊し、さらに危険性を増大させるとし、「防波堤が海面近くまで撤去されれば、波が堤の上に押し寄せ、洗濯機か便器の中のような状態になり、人々は岩に叩きつけられてしまう」と語っている。
なお、この提案が受理されれば、プロジェクトは6〜9カ月で完了すると見られている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.22)