韓国のソウルにある世界で5番目に高い超高層ビルの半分以上を素手で登ったイギリス人男性が逮捕されたとAP通信が伝えている。
ソウル消防庁は声明で、男性が12日(月)の朝、123階建て、高さ555メートルのロッテワールドタワーに登っているところが目撃された後、90人以上の救急、警察、その他の係員が出動したと発表した。この20代の男性は、高さ約310メートルの72階に到達し、その後、職員によってゴンドラリフトに乗せられ、建物内に移動させられたという。
消防や警察当局は、男性の名前や動機についてすぐには発表しなかったが、韓国のメディアは、フリークライマーのジョージ・キング=トンプソン氏であると認定した。同氏は、パラシュートを所持しており、ビルの最上階からベースジャンプをするつもりだったと警察に話したという。
キング=トンプソン氏は2019年、ロンドンのシャード(イギリスで最も高い310メートルの超高層ビル)を登った後、ビルの所有者から不法侵入罪で告訴され、逮捕された。6カ月の禁固刑を言い渡され、3カ月間服役した。また、2021年には、ロンドン東部の36階建てのストラトスフィアタワーに登り、30分足らずで頂上に到達している。このビルを選んだのは、最近この地域を襲った洪水に衝撃を受け、気候変動の深刻さに意識を向けたいと思ったからだという。
ソウル警察は男性の身柄を確保したことを発表したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。大きなけがはないものの、右膝の皮膚に切り傷を負ったとのこと。
2018年には、大胆なスタントで「スパイダーマン」と呼ばれるフランスのロッククライマーのアラン・ロベール氏も、ロッテワールドタワーの75階に登った後、逮捕された。
タワーの関係者は、警察に対し「妨害や不法侵入で告訴する気はない」と伝え、その後、最終的にキング=トンプソン氏は釈放されて韓国を去ったと聞いているという。
タワーを所有する「ロッテ・プロパティ&デベロップメント」は、この英国人男性の処遇に対し協議する予定であると述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.12)