【ハワイニュース】ホームレスへの食料提供場所移転で「チャイナタウンに平和が戻った」
宗教団体「リバー・オブ・ライフ・ミッション(The River of Life Mission)」は過去35年間、週に5日、チャイナタウンを中心にホームレスの人々に無料で食事を提供してきた。
これまでに、チャイナタウン周辺のホームレスにおよそ1,200万食にもおよぶ食事を提供してきたが、ホノルル市との協議の末、約2カ月前にチャイナタウンでの食事提供を停止した。
それ以来、チャイナタウンではホームレス人口に大きな減少が見られているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
周辺の商店からは安堵の声が聞かれるという。
「ティー・ハット」のマネージャー、マイケル・ウーさんは、今まで閉店時には路上生活者が歩道に溢れていたが、無料食事提供サービスが終了してからは、ほとんど目にすることがなくなったという。
「ホームレスがいなくなって本当に助かっています」
一方、ホテル・ストリートにある薬局で働いているブライアン・クァンさんによると、確かに夜は静かになったが、朝の状況は以前と変わっていないという。
「時々ですが、朝出勤してみるとホームレスが歩道を占拠しているので、移動させるようにホノルル警察に電話しなければならないことがあります」
チャイナタウンの活性化を公約のひとつとしているホノルルのリック・ブランジャルディ市長は6月7日(火曜日)、ダウンタウン・チャイナタウン自治会に今後の計画を提案した。
計画案によると、歩道の整備、公園の照明、警察のパトロール強化、COREとの連携などが挙げられており、メンタルヘルスの問題に取り組むことも重要課題としている。
ホノルル市では、新しいホームレス対策として、市の救急医療サービス局内にクライシス・アウトリーチ・レスポンス・アンド・エンゲージメント(Crisis
Outreach Response and Engagement:CORE)という部署を設立している。
直訳すると「危機支援対応及び取り組み」だが、この部署は、非暴力のホームレスに関する緊急通報に出動する特別チームで、現在はダウンタウン地区を中心に活動している。
自治会のひとりは、「この地域では、まだたくさんの暴行が起こっています。深刻な薬物中毒と精神疾患の両方を抱えている人々に対する取り組みが必要です。何をしようと、チャイナタウンにホームレスがいなくなることはないかもしれません。でも、COREプログラムで状況は改善してきていると思います」と述べている。
COREのサービスが必要な場合は(808) 768-2673まで電話を。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.8)