新型コロナ感染拡大で大きな打撃を受けたハワイ経済が回復に向かっている中、4月の州税徴収額は最高額を記録し、今年の州税収入は軌道に乗っているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
州は4月に一般財源として14億ドルの税収を得ているが、これは昨年同月の徴収額およそ10億ドルを大きく上回り、これまでの最高記録となったという。
州税務局のセス・コルビー氏によると、「州政府として今までで最も大きな税徴収額となりました。これまでこの数字に近くなったことさえありません」という。
一般財源は主に、個人や事業主の所得税、一般消費税、そして、宿泊税で、これらは全て今年初めから増加傾向にあったが、4月にはさらに増えたという。
今年1月から4月までの一般財源としての税収は36億ドルで、パンデミックでハワイ経済が大きく揺らぐ前の2019年同期と比較して45%も増加している。
この数値は、アメリカ国内経済成長を鈍化させるのではと予想されているインフレなどの要素があるにもかかわらず、ハワイの景気回復はこのまま続くであろうという経済予想を後押ししているという。
5月31日(火曜日)に発表された州ビジネス経済開発および観光局(DBEDT)の報告書によると、インフレ調整後の今年のハワイ経済の成長率は3.2%になるという。
DBEDTのマイク・マッカートニー局長は、「ハワイの経済復興は堅調な推移で継続していくと予想されます」と述べている。
ハワイ経済の持続的成長の主要な要因として、今年に入って予想以上に観光客が増えたこと、雇用が引き続き改善していること、建設業界が活況であることなどが挙げられており、このようなプラス要因が、インフレや労働力不足といった地域経済の足かせを相殺することになるという。
DBEDTでは、今年の総訪問客数を910万人と予想している。
今年1〜4月には280万人が訪れており、これはパンデミック前の2019年同期の83%にあたる。
アメリカ本土からの観光は完全に復活しているものの、海外からの観光がまだで、DBEDTは日本からの観光客は7月から回復するだろうと見込んでいる。
不安材料としては、新型コロナ感染者数が増加していることが挙げられている。
このまま感染数の増加が続けば、旅行のキャンセルが出ることも考えられ、経済に与える影響は少なくない。
また、インフレが進んでいることも経済成長に影響を与えるという。
DBEDTは、州内の今年のインフレ率を6%と予想している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.1)