犬猫をはじめとするペットの保護や里親支援を行うハワイアン・ヒューメイン・ソサエティ（HHS）では20日（土）、オアフ島で2カ所目となる新施設をエヴァビーチにオープンするとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。

「D.R.ホートン・ハワイ」社から寄付された5エーカーの敷地に3000万ドルをかけて建設された新施設には、入園センター、避妊・去勢クリニック、犬用パビリオン3棟、猫用パビリオン2棟、小動物パビリオン、ふれあいエリア、歩道、そして豊富な芝生のオープンスペースがある。

HHSの社長兼CEOのアンナ・ノイバウアー氏はニュースリリースで、「HHS史上最大規模となるこの拡張は、オアフ島中央部と西部の住民へのアクセスを飛躍的に向上させ、新しいステークホルダーとのコラボレーションをサポートし、困っている動物にとってより良い結果を生み出すことになるだろう」と述べている。また、オアフ島西部では3世帯に2世帯がペットを飼っており、これは島内で最も高い割合であることも指摘している。

エヴァビーチの新施設は、2.5エーカーのモイリイリ施設の2倍の広さがあり、「パシフィック・アジア・デザイン・グループ」が、動物ケア建築の専門家である「アニマル・アーツ」と協議して設計し、「アライド・ビルダーズ」が施工を行った。

広報担当のブランディ・シマブクロ氏によると、この施設は一から建設されたため、シェルターが最も効果的に機能する設計を取り入れることができたという。オープンエアの換気、より静かで、閉鎖的でない犬舎、個別排水のある犬舎、遊び場や運動スペースなど、ストレスや病気感染のリスクを最小限に抑えるための工夫がなされている。

ジニー・ティウ・ペット・コクア・センターは、ペットと家族の絆を深めるために、ペットフードバンクをはじめとするリソースを提供する予定となっている。施設内にはソーラーパネル、回復期に日光を好む猫に最適なソーラーチューブ、電気自動車の充電器が複数設置された駐車場も完備されている。さらに、秋ごろには公共のドッグパークもオープン予定となっている。

オアフ島では、恒常的にペットシェルターの定員が埋まっている状態にあるが、さらに最近は、経済的な苦境からペットを飼えなくなった人からの引き渡しが増えると同時に、ペットの引き取り数も減少しているという。この傾向は、ハワイ州全体や全米で見られる傾向で、ほとんどのシェルターが容量オーバーに陥っている。

HHSでは、5月に「エンプティ・ザ・シェルターズ（シェルターを空に）」というイベントを開催し、里親募集の手数料の無料化や割引を行ったが、まだ100匹以上の犬と数十匹の猫が里親募集中だという。さらに現在は子猫が生まれる時期でもある。

HHSのモイリイリとエヴァビーチの両施設は、それぞれ約350〜400匹の動物の収容が可能だ。シマブクロ氏によると、17日（水）の時点で約30匹の犬がモイリイリキャンパスからホオピリに移送され、猫も移送中とのこと。動物たちは段階的に新施設に運ばれるが、オープニングの20日（土）には里親募集イベントが行われる予定となっている。

新施設は、雇用を続けながら段階的にオープンしていくこととなっている。避妊・去勢手術センターは、今後数週間のうちにオープンを予定している。また、遺失物や拾得物を含む入場者サービスは、この夏の終わりに一般に提供される予定だ。

新施設の詳細は下記のとおり。

HAWAIIAN HUMANE SOCIETY KOSASA FAMILY CAMPUS AT HO‘OPILI
ハワイアン・ヒューメイン・ソサエティ・コササ・ファミリー・キャンパス・アット・ホオピリ

●グランドオープン記念イベント、ブレッシング、子ども向け体験エリア、フードトラック、音楽など。

日時：20日（土）午前10時〜午後1時

場所：91-1945 Fort Weaver Road（フォート・ウィーバー・ロードとオールド・フォート・ウィーバー・ロードの角）。

通常は、水曜日から日曜日の午前11時～午後7時まで営業する。詳しくはこちら。
hawaiianhumane.org