ハワイ固有の鳥として知られる「イイヴィ(ʻIʻiwi)」は絶滅危惧種に指定されている。
英語でHawaiian Honeycreeper、日本語ではベニハナミツスイと呼ばれるこの鳥の保護のために、連邦政府から1,400万ドルの補助金が与えられることになったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
アメリカ鳥類保護協会のハワイプログラム局長であるクリス・ファーマー氏は「これは私たちが本当に必要としていた非常に大きな支援となります」と述べている。
この助成金の多くは、イイヴィの減少の原因とされている蚊の駆除対策のために使われる見通しだ。
ハワイ大学ヒロ校が今年4月に発表した報告書によると、もし何も対策を行わなかった場合、今後数年のうちにイイヴィは絶滅してしまう可能性があるという。
調査結果では、過去数年にわたり鳥の数は大幅に減少しており、蚊から逃れるためにさらに高い場所へ移動し、その活動範囲が狭まっていることが示されている。
元々ハワイに存在していなかった蚊が、鳥類マラリアを広げ、固有種の鳥が死に至る率が上昇している。
カウアイ島では、野生に生息しているアキキキはたった45羽、マウイ島では野生のキウィキウ135羽がいると見られている。
デービッド・イゲ知事は、「ハワイ固有野鳥のうち数種類は、今後数年のうちに絶滅する危機にあります。今回の連邦からの助成金は、鳥たちが永遠に消滅してまう前に行わなければならない保護活動のための素晴らしい支援となります」と述べている。
州政府は、連邦政府と民間保護団体と協力して、野生の蚊の増加を抑制するためのプログラムを開始することになっている。
このプログラムは、「避妊作用」のあるバクテリアを研究所で蚊に接触させ、オスの蚊だけを野生に放つというものだ。
オスの蚊は鳥や人を刺すことがないため、マラリアを拡大させず、避妊効果によってメスと交尾しても繁殖することがないという。
来年から試験を開始して、2024年には実施させたい考えだ。
また、サンディエゴ動物園の協力を得て、マウイ島の鳥類保護センターで、繁殖プログラムを開発することになっている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.5.17)