新型コロナウィルス感染によりハワイの観光業は壊滅的な打撃を受け、失業率の増加を招いているが、再開の目処は立っていない。
ショッピングモールと小売業の事業再開が宣言され、カウアイ島ではビーチも15日より開放される。
しかし、観光業に関してはロックダウン状態のまま、デビッド・イゲ知事は観光業の再開について何も語らず、感染の第二波に備えることを強調している。
知事は「感染が最初に確認されたのはほとんど旅行関係だった。旅行を再開するには用心深くなる必要がある」と述べた。
3月26日よりハワイでは州外からの訪問者に14日間の自己検疫を必須としており、4月1日からはハワイでの島間移動にも拡大されているが、イゲ知事は観光業再開に関しては明確な期日を考えていないとも述べている。
カウアイ島のカワカミ市長は、カウアイ島での14日間の自己検疫を6月まで延長するとしているが、イゲ知事は現在の5月31日までとした自己検疫を延長するかどうか明らかにしていない。
観光業コンサルタントのキース・ビエラ氏は、次のように述べた。
「例えば、6月30日まで自己検疫を終了するとしても翌日の7月1日から観光業は再開できるというものではない。閉鎖されているホテルを再開するには30日から60日かかる。食料や補給品を注文し、受け取り準備し、新しい安全指導の訓練をする必要がある」
州議会では運輸省、観光局、ホノルル市に対して検疫強化を要請している。
一方、グリーン副州知事やハワイ選出のエド・ケース下院議員を含めた数人の政治家は、到着前検査の導入を検討している。
ハワイへの直行便に搭乗する前に、乗務員を含む全ての搭乗客に対して検査結果を求めるという案だ。
ケース議員は「効果のない到着後の検疫よりも、搭乗前に検査結果を求めるという条件を求める方が合理的だ」と述べた。
(日刊サン 2020.5.14)