スペインの議会は、小人症の人が衣装を着て行う「コミック」闘牛を禁止した。この決定は障害者権利団体から喝采を浴びたが、生き残った少数の演者からは抗議の声が上がっているとAP通信が伝えている。
スペインでは昔から、消防士やピエロに扮した小人たちが、ユーモラスな演出のもと、牛を殺さずに追いかけるというショーが行われてきた。この伝統は何十年も続いているが、人気は低下している。
今回、議会に承認された法律により、スペインは障害者に対する差別に関する欧州連合の指令に沿うことになり、運動家たちはこれを歓迎した。スペイン王立障害者委員会の事務局長で、議会で禁止令を推進した社会人権省に助言するヘスス・マルティン氏は、「私たちは過去のスペインを克服したのだ。これまで小人症の人々は、わが国の公共広場で嘲笑の対象となり、大人と一緒にこのような恥ずべきパフォーマンスを見に行く多くの少女少年たちに、違いを笑うのは構わないという考えを伝えてきた」
一方、わずかに残された小人症のパフォーマーたちは、国会前で抗議活動を行い、禁止令への反対を表明した。小人闘牛士のダニエル・カルデロン氏は、地元ニュースに対し、「活動家たちは、私たちが当然のように誹謗中傷され嘲笑されていると考えているようだが、それは逆で、 私たちに対する尊敬の念は感動的なほどだ」と語っている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.27)