オアフ島、空き店舗率急増 記録的数値に
商業不動産会社、コリアーズ・インターナショナルが9日に発表した評価報告によると、オアフ島内にあるショッピング・センターの多くが現在、記録的な数の空き店舗を抱えており、今年1月から3月までの3か月間で空き店舗の総面積が約32万9,000平方フィート(3万565平方メートル)増加した。この数字はワイキキのロイヤル・ハワイアン・センターの面積とほぼ同等。
コリアーズ・インターナショナルのコンサルティング・リサーチ・ディレクターのマイク・ハマス氏は「小売店やレストランの多くは、例年は売り上げが増加するホリデー・シーズン後に閉業を決めたようだ」とした上で「小売業者の多くは年明け早々に閉業を決定した。一部の業者にとって、定期的な売り上げがない状態で1年間も営業を続けることは非常に困難という状況が目に見えている」と述べた。今年初めの3ヶ月間に急増した空き店舗の総面積は、2020年の1年間で発生した空き店舗の総面積10万7,586平方フィート(9,995平方メートル)の3倍に及んでいる。コリアーズは、第1四半期に発生した空き店舗の総面積は、過去20年間のどの年の四半期と比較しても記録的に大きな数字であると報告している。
コリアーズは、オアフ島の空き店舗増加の波は第3四半期にピークに達し、年末までに更に総面積36万2,000平方フィートの空き店舗が発生すると予測している。回復には数年かかる見込み。現在、オアフ島の小売店舗の総面積は約1,700万平方フィート。昨年の同時期には、そのうち約110万平方フィート(6.4%)が空き店舗だったが、今年3月末の空き店舗率は8.3%に上昇した。コリアーズは、空き店舗率は年末に9.2%まで上昇し、総面積は約160万平方フィートに達すると予想している。
7日、リック・ブランジャルディホノルル市長とデービッド・イゲ知事は、新型コロナの新規感染者数がより制限の厳しいティア2に戻る基準を満たしているにも関わらず、今後4週間はティア3を維持することに同意した。コリアーズは、ハワイ州税のデータに基づき、州全体の小売業の売上高は昨年比マイナス14パーセント、約33億ドルが減少したと報告している。特にレストラン業が打撃を受けており、これまでにリアル・ガストロ・パブ、ノブ・ホノルル、ディリンガム・サイミン、トップ・オブ・ワイキキ、フォーマジョー・ワインバー、ビアッジョなどが相次いで閉店した。一方、食料品店、ホームセンター、ファストフード店などは、パンデミックの恩恵を受ける形で売上が増加傾向にある。
写真:Theodore Trimmer _ Shutterstock.com March 26, 2021
(日刊サン 2021.04.09)
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